協業組合公清企業(札幌市中央区北1条東15丁目140、原田利明理事長)は、ことしから2年がかりで札幌市東区のリサイクル団地内に廃石こうボードリサイクル施設と資源リサイクル施設を新設する。石こうボードのリサイクル率で9割以上を目指す施設。施工は主体、設備一括して萩原建設工業に依頼し、先行する廃石こうボードリサイクル施設は近く着工、資源リサイクル施設は2018年春の着工を予定する。
同社は廃棄物処理や清掃、維持管理などを展開。東区中沼町45の23で、工事現場から出た廃材、汚泥を処理できる特殊焼却施設など5つの施設から成る中沼産業廃棄物処理センター(通称・エコパーク)を運営している。
今回の施設整備は、廃石こうボードを埋め立てている手稲区の山口処理場の延命化や同ボードの有効利用、エコパーク内の既存焼却施設が老朽化していることを踏まえて行う。
現在、山口処理場で埋め立て処分している廃石こうボードは年間約1万5000㌧。埋め立て総量の20%強に上り、空き家などの解体増加に伴い、排出量はさらに増える見通しにある。
施設名は第2エコパークとし、東区中沼町45の57の土地(約1万3000m²)を市から借り受けて新設する。
廃石こうボードリサイクル施設はS造、平屋一部2階、延べ1709m²の規模。破砕処理で1日当たり45㌧(9時間稼働)、焼成処理で同36㌧(24時間稼働)の能力を持たせる。プラント整備は北海道川崎建機が担う。
ボードの処理は大まかに、石こうボードを石こう粉と紙に分離する破砕工程、分離した紙から石こう粉をさらに剥離する紙処理工程、石こう粉を約800度の熱で焼くなどし無水石こうに改質する乾燥工程の手順で進める。年間の受け入れ目標は約1万5000㌧。
石こうボードは約9割が石こう、残り1割は紙でできているが、石こうはそのほとんど、紙は最低でも半分程度はリサイクルとなる計算だという。石こう粉は固化材の原料としてセメント会社など、紙は段ボール向けに製紙会社に販売する。
一方、資源リサイクル施設はS造、3階、延べ4028m²の規模。焼却設備はストーカ式で1日当たり38・4㌧(24時間稼働)、焼却の前段作業で使用する破砕設備は二軸せん断式で同61・6㌧(8時間稼働)の能力を持たせる。アクトリーがプラント整備に当たる。
既存の焼却施設は廃棄物を屋外で受け入れる形を取っているが、騒音や粉じん、臭気に配慮して屋内で受け入れるようにするほか、廃熱を利用したバイナリー発電を導入し、事務所などの電力として使う。
現在、事業計画の申請手続き中。認可が下りるのは来春の見通しで、それを踏まえ、18年5月ごろの着工を想定している。
両施設とも設計は石本建築。19年4月の完成を目指している。