おとなの養生訓

おとなの養生訓 第36回「おせち料理」 少しずつ味わうように

2013年12月27日 16時45分

 忙しいビジネスマンも、年末年始はお休みを取られると思います。おうちでゆっくり過ごす、帰省する、旅行に出る、いろいろな過ごし方がありますが、どこでも連日ごちそうを食べることになるのでしょう。とくにお正月の定番は、やはりおせち料理。北海道は大晦日の夜からおせち料理を食べる風習がありますから、お正月三が日を含めて、4日間もおせち料理という方も多いかと思います。

 おせち料理には、いろいろな由縁がありますが、全般的に言えることは、日持ちする料理だということです。かつては、正月三が日はお店もお休みのところが多かったので、大晦日までにおせち料理を用意して、三が日は買い物をしなくても済ませられるという、意味合いが大きかったとも聞きます。

 日持ちがする料理というのは、よく火を通した料理、そして味付けが濃い料理です。田作り、栗きんとん、昆布巻き、黒豆、うま煮など、おせち料理は総じて甘い料理が多いのです。お砂糖を使うことが贅沢だったこともあるのですが、お砂糖の濃度が高いと、細菌の繁殖を防ぐことが出来るので、日持ちしやすいことも、一つの理由です。

 さらに、新巻鮭、鯛の塩焼き、いくら、数の子、煮染めなど塩気の強い料理も並びます。これも日持ちしますね。雑煮も汁まで飲み干せば、かなりの塩分です。これだけ甘くてしょっぱい料理が続くと、なますの酸っぱさが助かるのですが、実はたくさんのお砂糖と塩が入っています。

 おせち料理にはたくさんのお砂糖とお塩が入っています。血圧と糖尿が気になる方には要注意なのです。さらに、お餅や日本酒も付きものですから、糖分の摂取量は相当なものになります。三が日が終わったときには、かなりの体重増に驚く話をよく聞きます。三が日の間に運動不足になる傾向も、これに拍車をかけるのでしょう。

 だからといって、折角のお正月におせち料理に手を付けないのも、寂しいものです。さて、どうしたものでしょうか。一つの方策は、いろいろなおせち料理を少しずつお皿にとって、ゆっくり味わうようにすること、雑煮のお餅は、1食あたり2個ぐらいにとどめることでしょうか。大晦日に煩悩を打ち払ったはずですが、正月早々、煩悩にくるしむのでしょうか…。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

北海道建設新聞社新卒・キャリア記者採用募集バナー
  • 北海道水替事業協同組合
  • web企画
  • 川崎建設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

丸彦渡辺建設が31日付で清水建設の子会社に
2023年05月12日 (16,672)
上位50社、過去16年で最高額 22年度道内ゼネコ...
2023年05月11日 (8,416)
ラピダスの工場新築で関連企業から多数の問い合わせ
2023年05月25日 (6,543)
熊谷組JV、道新幹線トンネル工事で虚偽報告
2023年05月08日 (5,925)
砂川に複合型施設オープン シロの福永敬弘社長に聞く
2023年05月22日 (4,829)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓 new

おとなの養生訓
第255回「内臓脂肪蓄積」。ポッコリお腹は悪性肥満、生活習慣の改善が必要です。

連載 ごみの錬金術師

ごみの錬金術師
廃ガラス製品を新たな姿に。道総研エネ環地研の稲野さんの研究を紹介。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第30回「職業的背景で変わる視点」。経営には慎重かつ大胆なバランスの良い判断が必要となります。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第32回「確実に伝えたい色」。青と黄色は色覚に左右されにくい「伝える色」です。