おとなの養生訓

おとなの養生訓 第39回「眼精疲労」 肩こりや頭痛の原因に

2014年02月14日 15時07分

 書類の作成や整理、パソコンの操作、自動車の運転など、仕事では常に目を使っています。とくに根を詰めて仕事をこなすと、目に強い疲れを感じるようになります。いわゆる眼精疲労です。

 それが積み重なると、肩こり、めまい、頭痛など症状が現れます。下手をすると、高血圧の原因となり、脳卒中や心筋梗塞の危険性が高まります。眼精疲労を侮ってはいけません。しかし、なぜ、目を使いすぎると疲れてしまうのでしょうか?

 目は、鼻、耳、舌と同じ感覚器です。感覚器は体の周りの環境の状況を察知して、脳へ伝える役割を持っています。でも、鼻や耳や舌を使いすぎたので疲れた、ということにはなりません。目のしくみだけ特別になっているためです。

 実は、目のしくみには、いくつかの筋肉がかかわっています。眼球を動かすための外眼筋、瞳孔を拡げる瞳孔散大筋、瞳孔を縮める瞳孔括約筋、目のピントを調節する毛様体筋などです。

 お分かりのように、筋肉は使いすぎると疲労します。目を使いすぎると、これらの目の筋肉に、徐々に疲労がたまってきます。とくに毛様体筋は疲れやすいようです。この筋肉が疲れると、目のピントが合いにくくなり、目がかすんできます。

 さらに、目の疲労を解消するために血液が目に集まって充血したり、熱感が出たりするのです。こうした目の状態は精神的、肉体的な負担になるので、顔、首、肩の筋肉の緊張を引き起こし、肩こりや頭痛などを引き起こすのです。

 眼精疲労が起こると、仕事の効率は大いに低下します。ですから、疲れを感じたら、すぐに目を休めることが必要です。一番効果的なのは、窓の外の遠くの景色に目をやることです。人の目は遠くにピントが合っているときに、特に毛様体筋が完全に緩む状態になるからです。

 また、ピントが合いにくい状態を続けると、毛様体筋はピントを合わせるために緊張し続けることになるので、大きな負担です。合っていないメガネは眼精疲労のもとです。とくに、40歳以降の方は、多かれ少なかれ老眼が進行しています。老眼を矯正しないでいると、目に常に負担をかけていることになります。無理をせず、老眼鏡の使用をお勧めします。中年で血圧が高めのあなた!老眼鏡で血圧が下がるかも!

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

北海道建設新聞社新卒・キャリア記者採用募集バナー
  • 日本仮設
  • 東宏
  • web企画

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

丸彦渡辺建設が31日付で清水建設の子会社に
2023年05月12日 (16,677)
上位50社、過去16年で最高額 22年度道内ゼネコ...
2023年05月11日 (8,418)
ラピダスの工場新築で関連企業から多数の問い合わせ
2023年05月25日 (6,552)
熊谷組JV、道新幹線トンネル工事で虚偽報告
2023年05月08日 (5,926)
砂川に複合型施設オープン シロの福永敬弘社長に聞く
2023年05月22日 (4,830)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓 new

おとなの養生訓
第255回「内臓脂肪蓄積」。ポッコリお腹は悪性肥満、生活習慣の改善が必要です。

連載 ごみの錬金術師

ごみの錬金術師
廃ガラス製品を新たな姿に。道総研エネ環地研の稲野さんの研究を紹介。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第30回「職業的背景で変わる視点」。経営には慎重かつ大胆なバランスの良い判断が必要となります。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第32回「確実に伝えたい色」。青と黄色は色覚に左右されにくい「伝える色」です。