おとなの養生訓

おとなの養生訓 第60回「更年期障害」 〝ストレス〟が引き金に

2014年12月26日 16時20分

 更年期障害というのは、中年以降ホルモンバランスが狂うことで、体に様々な変調が起こり、慢性的な症状に悩まされることを言います。これまで、女性が閉経前後に女性ホルモンが減少することによって引き起こされるものとして扱われていました。

 しかし、最近は、男性にも更年期障害があって、それも結構深刻な症状を示すことが分かってきました。症状としては、のぼせ、ほてり、発汗、動悸、めまい、肩こり、腰痛、イライラなど、男女に共通なものから、倦怠感、不眠、筋力低下、集中力欠如、精力減退など、男性に特有と思われる症状まであります。

 こうしてみると、結構思い当る人も多いのではないかと思います。また、男性の場合、更年期障害の症状として、気分が沈んで悲観的になりやすい「うつ」状態になる人が多いことが指摘されています。放っておくと、うつ病に進行することがあり、仕事ができなくなり、失業や自殺など悲劇的な結果を招きかねません。実は、かなり深刻な病気なのです。

 男性の更年期障害の原因は、もちろん老化による男性ホルモンの減少なのですが、女性と違って、減少の仕方が人によって全く異なるので、40歳台や50歳台で症状が出る人もいれば、70歳台、80歳台になっても全く症状の出ない人もいます。

 男性ホルモンの減少する原因として、年齢以外に最近注目されているのが、ストレスです。仕事などでストレスが溜まってくると、男性ホルモンが減少するスピードが速くなるというのです。

 さらに、几帳面、まじめ、神経質、責任感が強いなどの性格の人が更年期障害を起こしやすいという指摘もあります。確かに、こうした性格の人はストレスもたまりやすいかもしれません。

 男性の更年期障害を防ぐには、バランスの良い食事を心がけ、とくに新鮮な野菜に豊富に含まれる亜鉛などのミネラルの補給に気を付けましょう。適度な運動習慣を身に付けることが大事だとされています。

 もし思い当る症状をお持ちなら、一度、医師に相談してみてください。必要なら、男性ホルモンの投薬が受けられますし、適切な治療、指導により、症状を克服することができるからです。

 持病がないにもかかわらず、どうも体調がすぐれないとお感じの中年以降の男性の方、一度病院で診察してもらってはいかがでしょうか。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


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