おとなの養生訓

おとなの養生訓 第62回「ホップ」 ビールの味高める薬草

2015年01月23日 15時12分

 ビールといえば、ホップ!というくらい、ビールにホップは欠かせないものです。ビールのさわやかな苦味は、ビールの最大の魅力ですが、これはホップの苦みであることはご存じのとおりです。でも、ホップはビールに苦みを与えるために配合されたのではないのです。

 ホップは麻の仲間で、つるを出す多年草です。その雌株に「球花」と呼ばれる花がつくのですが、これを取り入れて、ビールの醸造の際に配合します。こうすると、ビールに苦みと香りが付きます。そして泡立ちがよくなるといわれます。

 また、ホップを入れると出来上がったビールが腐りにくく、長持ちするので、昔から使われていたのです。今は、冷蔵技術が発達したので、ホップの防腐作用は必要がないのかもしれませんが、苦み、香り、そして泡立ちはビールの魅力ですから、やはりホップは必要ですね。

 ホップは、もともと薬草として栽培されていたものでした。なので、ホップには様々な薬としての作用があることが分かっています。苦味自体の作用でもあるわけですが、胃腸の運動を活発にします。さらに胃液の分泌をたかめます。二つの作用により消化吸収を促進します。

 また、鎮静作用があり睡眠時間を延長するといわれます。さらに、最近の研究から、インスリンの作用を助けて糖尿病患者の血糖を下げる作用、肥満予防作用、女性ホルモン作用があることから更年期障害の改善などが、明らかになっています。実に、様々な作用を持っているのです。

 これだけ体に良い作用を持っているホップがたくさんは入っているのだから、ビールは体に良いお酒といえないことはありません。たとえば、食前酒としてビールを飲めば、炭酸が胃を刺激する作用に加えて、ホップの消化促進作用が加わるので、食欲が増進して、食事をおいしく楽しめるはずです。「とりあえずビール」は理にかなっているといえます。一杯ぐらいなら、ホップの鎮静作用で、気持ちよく眠れるかもしれません。

 でも、もちろん、ビールはお酒であり、アルコールの作用が強いものです。飲む量が増えれば、アルコールの作用である、胃腸運動の抑制、睡眠を浅くする作用が出てきて、ホップの利点を打ち消してしまうのです。体に良いビールの飲み方は、1日大瓶1本まででしょうか。ちょっとさびしいかな?

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

航空写真や建設予定地の位置情報などを重ねて表示できる地図ベースの情報サービスです。
  • 北海道水替事業協同組合
  • イイファス
  • オノデラ

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

コストコ 石狩湾新港に道内2店目を検討
2019年12月12日 (3,266)
百年記念塔の解体近づく 価値認める建築家有志が反発
2020年03月15日 (2,615)
当別太に新駅 当別町とロイズがJRに要望書
2020年03月06日 (2,379)
道央圏連絡道路泉郷道路8.2kmが開通 札幌開建
2020年03月11日 (2,100)
新型コロナウイルス感染症で産業用マスクが品薄
2020年02月06日 (1,631)

連載・特集

連載 おとなの養生訓new

おとなの養生訓
第180回は「マスク」。まだ感染して いない人の予防としては無意味です。 感染防止にはこまめな手洗いを。

連載 深掘り new

深掘り
地域発展には欠かせない、新技術と それを発展させたビジネスの創出。 〝勝ち〟にこだわる経営者らの発想や アイデアを紹介します。

連載 ノボシビルスク シベリアのビジネス発信地

ノボシビルスク シベリアのビジネス発信地
本道企業から注目を集めるノボシビルスク。高度人材の輩出地、新ビジネスの発信地の最前線をレポートする。