おとなの養生訓

おとなの養生訓 第64回「ラムの香り」 ストレートで楽しんで

2015年02月27日 15時00分

 ラム酒といえば、皆さんもお分かりだと思います。でも、それはカクテルの重要なベースのお酒とか、フルーツを付け込んで、それをケーキなどの洋菓子に使っているので出会ったという感じなのではないでしょうか。ラム酒そのものを味わったことのある方は、それほど多くないと思われます。

 ラム酒は、サトウキビを原料とした蒸留酒で、現在では主に中米の島々で作られています。でも、日本でも沖縄などサトウキビが採れるところを中心として、作られているのです。サトウキビが原料だといっても、サトウキビの糖液をそのまま使うのではありません。

 サトウキビの糖液でお砂糖を作った後に残る褐色の液が原料です。これを廃糖蜜と呼ぶのですが、純粋なお砂糖を取った後なので、一見不純物と思われるような、様々な成分が含まれています。これを発酵させて、蒸留すると、この不純物が得も言われぬ、独特の香ばしい香りを作り出します。

 この香りを生かす方法が、カクテルであったり、お菓子に利用したりするのです。でも、アルコール度数は40%ぐらいで、標準的なブレンドウイスキーと同じなので、それほど濃いわけではありません。ですから、本当はストレートで、香りを楽しみたいお酒です。

 実は、ラム酒は、案外、女性が好むお酒です。カクテルならモヒート、ダイキリ、ブルーハワイ、マイタイなど、女性が好むものが有名です。ケーキに添えられるラム酒で漬けたフルーツは、必須アイテムかもしれません。

 きっと、だからなのだと思うのですが、ラム酒のストレートを女性に勧めて、「おいしい」といわれることが多いのです。ウイスキーのシングルモルトでは、こうはいきません。ラム酒の香りには、女性を酔わせるなにかがあるのでしょうか。

 いいや、男だってラム酒の香りは大好きです。わざわざ葉巻にしみこませたりします。シングルモルトを作るのに、ラム酒を作った後の樽を利用する製造所もあります。

 ラム酒は相当な潜在能力があります。なにせ、体に害が少ない蒸留酒です。体への優しさは焼酎と同じ。日本でも、もっと飲まれていいお酒だと思います。ウイスキーがブームになった昨今です。流行りそうですね。でも水割りはいけませんよ。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

北海道建設新聞社新卒・キャリア記者採用募集バナー
  • web企画
  • 古垣建設
  • 北海道水替事業協同組合

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

丸彦渡辺建設が31日付で清水建設の子会社に
2023年05月12日 (17,070)
上位50社、過去16年で最高額 22年度道内ゼネコ...
2023年05月11日 (8,650)
ラピダスの工場新築で関連企業から多数の問い合わせ
2023年05月25日 (7,229)
砂川に複合型施設オープン シロの福永敬弘社長に聞く
2023年05月22日 (4,976)
熊谷組JV、道新幹線トンネル工事で虚偽報告
2023年05月08日 (4,155)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 行政書士 new
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第31回「特に需要が増える繁忙期」。情勢を把握して適切な宣伝を行うと、新規顧客獲得につながるかもしれません。

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第255回「内臓脂肪蓄積」。ポッコリお腹は悪性肥満、生活習慣の改善が必要です。

連載 ごみの錬金術師

ごみの錬金術師
廃ガラス製品を新たな姿に。道総研エネ環地研の稲野さんの研究を紹介。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第32回「確実に伝えたい色」。青と黄色は色覚に左右されにくい「伝える色」です。