おとなの養生訓

おとなの養生訓 第71回「お酒の糖分」 体重気になる人、焼酎を

2015年06月12日 11時03分

 よくお酒に含まれるエネルギー量、いわゆる「カロリー」を気にする人も多いようです。今は、お酒のラベルに「○○kcal」などと表示して、消費者の便を図っています。この表示にはアルコール自体のエネルギー量が含まれています。でも、アルコールは体でエネルギー源にはならないし、脂肪や糖分に変わって蓄積されることがないと考えられるので、摂取カロリーとしては勘定しなくてよいのです。

 ですから、お酒は表示されたものより「カロリーオフ」だといえるのです。では、カロリーを気にせずにお酒が飲めるのかというと、そうはいきません。お酒には少なからず糖分が含まれているからです。

 誤って清酒をテーブルにこぼしてしまうと、そこがべた付きます。これは糖分が含まれているせいです。もともと、お酒は、穀物や果物など糖分が豊富に含まれているものを発酵させて作るわけですから、必然的に糖分が含まれる可能性があるわけです。

 実際に、清酒、ビール、ワインにはかなりの糖分が含まれています。同じアルコール量にそろえた場合に、一番糖分が含まれているのは発泡酒であることが分かっています。中ジョッキ一杯で12.6g。ご飯一杯に含まれる糖分が約60gなので、そこそこの量であることが分かります。

 以下、順にビールで11g、清酒が1合で8g、ロゼワインがグラス一杯で2.4gの順になります。辛口のワインに糖分は少なくなります。とくに、人気の発泡酒が多いことが気になりますね。一方、蒸留酒は、蒸留の過程で糖分が抜けてしまうので、糖分が含まれていません。焼酎、ウイスキーなどです。

 もちろん、お酒に含まれている糖分は、他の食品に比べれば、少ないものです。でも、たくさん飲めば、やはりカロリーオーバーの危険性があります。ましてや、糖分が多い甘いお酒やコーラ、ジュースなどでつくるカクテルは、かなり危険。おつまみの量も気になるところです。

 という訳で、体重やカロリーが気になる方は、ビールは初めの一杯にとどめて、すぐに焼酎に移行するのがいいでしょう。二次会ではカクテルはやめにして、ウイスキーの水割りに徹する手もあります。もちろん、締めのラーメンは諦めてくださいね。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

北海道建設新聞社新卒・キャリア記者採用募集バナー
  • 日本仮設
  • web企画
  • オノデラ

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

丸彦渡辺建設が31日付で清水建設の子会社に
2023年05月12日 (16,677)
上位50社、過去16年で最高額 22年度道内ゼネコ...
2023年05月11日 (8,418)
ラピダスの工場新築で関連企業から多数の問い合わせ
2023年05月25日 (6,552)
熊谷組JV、道新幹線トンネル工事で虚偽報告
2023年05月08日 (5,926)
砂川に複合型施設オープン シロの福永敬弘社長に聞く
2023年05月22日 (4,830)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓 new

おとなの養生訓
第255回「内臓脂肪蓄積」。ポッコリお腹は悪性肥満、生活習慣の改善が必要です。

連載 ごみの錬金術師

ごみの錬金術師
廃ガラス製品を新たな姿に。道総研エネ環地研の稲野さんの研究を紹介。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第30回「職業的背景で変わる視点」。経営には慎重かつ大胆なバランスの良い判断が必要となります。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第32回「確実に伝えたい色」。青と黄色は色覚に左右されにくい「伝える色」です。