おとなの養生訓

おとなの養生訓 第75回「卵の復権」 存分に食べて楽しもう

2015年08月28日 09時44分

 卵は完全栄養食品といわれていました。とくにタンパク質やビタミンCを除くビタミン類を豊富に含み、高い栄養価が評価されていました。確かに、卵からヒヨコが生まれるまで、卵に含まれる栄養素だけで育つわけですから、完全栄養食品といっても問題はありません。

 おまけに、日本では量産体制が確立して、「物価の優等生」といわれて、長年安い価格で維持されています。そういう訳で、卵は日本の食生活に深く根ざして、色々な用途に活用されています。ところが近年、卵は評判がよくありませんでした。それは、日本の食生活の欧米化が20―30年前に完了した以降のことです。

 欧米化により日本人は高カロリー高脂肪の食事を普通にとるようになりました。その結果として、血液中の脂肪量が増えている高脂血症の人が増えて、その結果として動脈硬化となる人が多くなりました。

 動脈硬化は高血圧、脳卒中、心筋梗塞など病気の直接の原因となることから、動脈硬化を防ぐために、高脂血症の治療や予防が重要視され、そのための薬も開発されました。高脂血症の人では、血液中のコレステロールが増えていることが重要視され、これを減らすためには、高カロリー高脂肪の食生活を改善する必要があると、考えられるようになりました。

 そうした中で、卵がやり玉に挙がったのです。コレステロールが他の食品に比べて豊富に含まれているからでした。そこで、血液中のコレステロールの上昇を防ぐために、卵を食べるのは1日1個が限度であるという指導が広くなされたのです。これでは、卵焼きや目玉焼きを満足に楽しむことはほとんどできません。卵好きなお父さんたちは、我慢をさせられてきたわけです。

 ところが、最近、米国の研究により、重大なことが明らかになりました。それは、食事に含まれるコレステロールの量は、血液中のコレステロールの量と直接は関係がないというものです。つまり、コレステロールを含む食品を食べても、血液中のコレステロールは増えないということです。

 血液中のコレステロールが増えるのは、高カロリーの食事とか、体質とか、運動不足とか、そちらに原因があるという訳です。つまり、卵を我慢する必要は全くないという結論です。

 卵は無罪放免です。存分に楽しんでください。ただ、食事量全体が増えるのはよくありませんので、お気をつけて。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

経審データ販売
  • web企画
  • オノデラ
  • 北海道水替事業協同組合

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

きのとや、札幌・清田に新店舗 完成は11月中旬
2019年06月08日 (4,798)
コストコ 石狩湾新港に道内2店目を検討
2019年12月12日 (2,624)
ゼネコン大手4社の20年3月期第2四半期決算
2019年11月18日 (2,083)
新小樽駅周辺のイメージ動画を公開 新幹線建設促進小樽期成会
2019年11月28日 (1,708)
札幌都心アクセス道路 全線トンネル案が再浮上
2019年10月29日 (1,269)

連載・特集

連載 おとなの養生訓 new

おとなの養生訓
第173回は「激辛」。ビタミンや亜鉛 が不足すると、味覚が鈍磨し、辛い物 を好むようになる場合も。

特集 中国市場に挑む~大連・瀋陽リポート~

中国市場に挑む~大連・瀋陽リポート~
巨大な中国市場に挑戦する日系企業と 成長を続ける中国企業の現状を紹介。

連載 深掘り

深掘り
地域発展には欠かせない、新技術と それを発展させたビジネスの創出。 〝勝ち〟にこだわる経営者らの発想や アイデアを紹介します。