木の良さや価値を再発見させる製品や取り組みについて、特に優れたものを消費者目線で評価・表彰する「ウッドデザイン賞2017」(主催・同賞運営事務局)の上位25作品が決まった。道内からは、北清建設(本社・恵庭)と森林保全活動を進める恵庭ふるさと100年の森による「地域の森とつながる『薪ストーブのある家』づくり」がハートフルデザイン部門で林野庁長官賞(優秀賞)に輝いた。
国産材の積極的な利用促進を目的に2015年に始まった同表彰。受賞者にはさまざまな広報・PRの場を提供し、生産から消費に関わる人のマッチングを進めている。第3回となった今回の応募総数は453点。
北清建設などは「自然の法則に逆らわない、シンプルな家」をコンセプトにした提案型の家づくりを展開。恵庭市内の里山の薪(まき)を使った薪ストーブをシンボルに道産材なども活用した。
クライアントも参加できる「薪割りの会」を設置し、社有林「北清の森」を地元幼稚園にも開放することで、自然のある暮らしや森づくりを体験・学習できる場を設けた。薪ストーブを軸に木育や林業体験といったソフトプログラムにつなげた広がりが評価された。
このほか道内からは、地域産カラマツを使った丸善木材(本社・釧路町)の「ハイカウンター収納・カラマツ受付カウンター」や、久米設計が設計、北成建設・久島工業・丸建工業共同体が施工を担った訓子府町幼保連携型認定こども園「わくわく園」など9点が入賞。
丸善木材は、地域材を生かし、鶴居村役場庁舎の古くなった受け付けカウンターを更新。長さ28mのオーダーメイドのカウンターは、ハイカウンターとローカウンターを16基連結させた。ダーク塗装したカラマツ羽目板や、傷防止の透明ラミネートフィルム処理をしたカラマツ集成材を活用した。
最優秀賞には秋田県やJR東日本、地元大学など産学官プロジェクトチームによる「ノーザンステーションゲート秋田プロジェクト」が選ばれた。JR秋田駅を中心に、地域資源である秋田杉をはじめとした県産材を活用した新たな景観・公共空間を実現した。