おとなの養生訓

おとなの養生訓 第87回「飲酒とビタミン」 アルコール処理に消費

2016年03月25日 09時52分

 お酒に入っているアルコールは、本来は体に必要がない不要物であり、有害な作用を示す物質でもあります。ですから、肝臓で分解処理し無害化して、主に尿によって体外に放出します。つまり、アルコールが抜けるかどうかは、肝臓のはたらきが重要だということです。

 肝臓ではアルコール脱水酵素とアルデヒド脱水酵素という2種類の酵素がはたらいて、アルコールを無毒化しています。また、この2つの酵素によるアルコール処理が間に合わない時には、他の有害物質の解毒を担当するチトクロームP450系と呼ばれる酵素システムも動員されます。これらの酵素が作用するためには、ビタミンが必要です。

 アルコール脱水酵素とアルデヒド脱水酵素の反応のためには、ビタミンB1が必要です。ビタミンB1は糖質からエネルギーを取り出すために必要なビタミンです。ですからビタミンB1が欠乏すると、全身がエネルギー不足となり、体に力が入らなくなって、いわゆる「脚気」という病気になります。

 ビタミンB1はアルコールの処理にも使われ、消費されます。したがって、お酒を飲むときにビタミンB1の補給がないと、アルコールが処理されにくくなったり、糖質からエネルギーが取り出しにくくなったりする悪影響が考えられます。ビタミンB1は豚肉やうなぎ、ピーナツ、大豆などに豊富に含まれているので、おつまみを工夫することで解決できます。

 一方、お酒を飲むとすぐ赤くなるタイプの人は、二つの脱水酵素が弱い人で、他にチトクロームP450系がはたらいて、アルコール処理を助けています。チトクロームP450系はビタミンCが必要です。ビタミンCはコラーゲンの合成に必要不可欠なもので、不足すると、最悪の場合、血管が破けやすくなり、全身で出血が頻発する壊血病となります。

 アルコールを大量に摂取すると、チトクロームP450系が活発にはたらいて、その際にやはり大量のビタミンCが消費されることになります。ですから、とくにお酒に弱い人は、ビタミンB1に加えてビタミンCの補給に努めるべきです。ビタミンCはかんきつ類の他、ホウレンソウなどの野菜や、ジャガイモ、サツマイモに豊富に含まれています。おつまみとしてはポテトサラダがお勧めですよ。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 北海道水替事業協同組合
  • 日本仮設
  • web企画

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (3,057)
BP新駅で大規模開発 高層MS、商業施設、ホテルな...
2022年06月29日 (2,604)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (2,206)
おとなの養生訓 第126回「なぜ吐くのか」 空腹時...
2017年12月22日 (1,744)
おとなの養生訓 第44回「肥満と発汗」 皮下脂肪が...
2014年04月25日 (1,400)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 激化する若者獲得競争
地方企業が取るべき
戦略は-new

激化する若者獲得競争 地方企業が取るべき戦略は-
若者獲得に向けた工夫とは。釧路市内の団体が開いたセミナーから、各回の講演概要を紹介する。

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第234回「アセトアルデヒド」。二日酔いの原因物質で、顔の赤みや動悸、胃腸への刺激を引き起こします。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第21回「住宅の内装/色と素材感」。質感や柄から受ける印象も大切にしてコーディネートを進めたいものです。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第20回「能力向上へ適切な指導」正しいゴールの設定やフィードバック、成功体験が大切です。