16年度末平均85.1%
防災拠点となる道内公共施設の2016年度末市町村別耐震化率が明らかになった。人口10万人以上の9都市を見ると、札幌が96.7%、旭川77.5%、函館90.3%、釧路95.6%、苫小牧91.4%、帯広98.3%、小樽70.4%、北見82.1%、江別92.7%となっている。道内平均は85.1%で前年度よりも2.2ポイント上昇したものの、都道府県別では最下位から5番目の低さと著しい伸び悩みの現状にある。(市町村の耐震化率は4面に)
用途別で庁舎が63%と低く
防災拠点は、地方公共団体が所有・管理する公共施設のうち、災害応急対策の拠点となる庁舎や消防署をはじめ、避難場所となる学校施設や公民館、災害時の医療救護施設となる病院や診療所、要配慮者のための社会福祉施設が対象。総務省消防庁が毎年、耐震診断実施率や耐震化率を調査している。
道内の防災拠点施設数は東京、大阪に次いで3番目に多い9478棟。現耐震基準での建設が5411棟、旧耐震基準が4067棟の内訳。旧耐震基準のうち耐震診断を実施しているのは78.3%に当たる3183棟だった。診断を終えたが、未耐震の施設が530棟ある。
耐震化率100%を達成したのは北斗、南幌、士幌など18市町村。このほか41市町村が90%以上だった。一方、道内平均以下は94市町村で、松前、興部、羅臼の3町では50%以下と耐震化が遅れている。
施設用途別の耐震化率は、社会福祉施設が77%、文教施設が93.5%、庁舎が63.2%、公民館などが74.8%、体育館が75%、診療施設が84.9%、警察署などが93.1%、消防署所が78.9%、その他が71.4%。庁舎での遅れが目立っている。
全国の防災拠点は18万2337棟で、このうち8万6006棟が旧耐震基準で整備された。耐震化率は本道を7.1ポイント上回る92.2%で、前年度から1.3ポイント上昇している。都道府県別では、東京が98.8%と最も高く、広島が81%で最も低かった。