おとなの養生訓 第125回「前菜」 食欲を増進させる効果

2017年12月08日 08時00分

 レストランや割烹などでコース料理を頼むと、一番初めに前菜、和食でいうと先付けが出てきます。いくつかの料理を組み合わせたものが多く、量はまさに少しずつという感です。量は少ないのですが、味付けはしっかりしているものがほとんどです。もちろん、口に運ぶとそのしっかりとした味が口の中に広がり、思わず「うまい!」なんてつぶやいてしまいます。すぐになくなってしまうので、「もっと食べたいな…」と思ったりして…。

 実は、この「もっと食べたいな」と思わせるのが前菜の役割なのです。しっかりとした味付けは、胃の運動や胃液の分泌を活発化させます。これは、食欲を増進させる効果もあります。

 そこへ少量である前菜が胃の中へ入ってくるだけですから、満腹にはもちろんなりません。そこで、「もっと食べたいな」と思うようになります。かの美食家、北大路魯山人は良い前菜について「食べてなお、腹のすく感じ」と表現しています。これで、次の料理への期待が高まるのです。

 前菜は英語では「appetizer(アペタイザー)」といいます。実は食欲のことを「appetite(アペタイト)」というので、前菜(アペタイザー)には「食欲をそそるもの」という意味が含まれています。よい前菜が出ると、そのあとの料理がさらにおいしくなり、コース料理全体を心地よく楽しめるという訳です。

 前菜の味付けは、胃の運動を刺激できるような強いものが適しています。そこで濃い目の出汁で煮た小さな煮物や、酸味が効いた酢の物、塩味が効いたチーズなどが選ばれます。ピリッと辛めのレシピもいいかもしれません。

 さらに前菜と同時に飲むお酒にも工夫しましょう。ビールやシャンパンなど、発泡酒が最適です。泡の正体である二酸化炭素は、胃の粘膜を刺激して粘膜の血行を促し、胃の運動を活発化させる効果があります。少量のアルコールにも同様のはたらきがあります。なので、発泡酒と前菜を合わせると、食欲増進効果は倍増されるという訳です。「とりあえずビール!」は正解であると言えます。他にはシャンパン、最近はハイボールも飲まれるようです。

 これから宴会シーズンです。宴会が続くと、さすがに疲れが出て、食欲がもう一つ、ということもあるでしょう。こういう時こそ、前菜をうまく利用して乗り切るというのはどうでしょうか。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


関連キーワード: おとなの養生訓

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

地番や用途地域がわかるe-kensinマップにはヒグマ出没情報や不審者出没情報も地図上で確認することができます。
  • イイファス
  • web企画
  • 東宏

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

札幌駅の新幹線ホームイメージ 札幌市が公表
2019年09月21日 (4,387)
札幌・南2西3南西地区再開発 23年4月開業へ工事着手
2019年10月02日 (2,319)
上空をデッキで接続検討 北5東1街区と北5西1・2
2019年10月01日 (2,160)
大和ハウス 札幌・円山の中古マンションをホテルに改修
2019年09月17日 (1,948)
カレスサッポロ 札幌・北4西18の複合施設に着工
2019年10月07日 (1,620)

連載・特集

連載 おとなの養生訓new

おとなの養生訓
第168回は「カロリーと肥満」。同じ カロリーでも、たんぱく質を多く含む 食べ物は肥満になりにくいです。

連載 深掘り

深掘り
地域発展には欠かせない、新技術と それを発展させたビジネスの創出。 〝勝ち〟にこだわる経営者らの発想や アイデアを紹介します。