おとなの養生訓

おとなの養生訓 第98回「ハイボール」 香りを引き立てる作用

2016年10月15日 16時05分

 最近、居酒屋などのメニューを見ると、ハイボールとそれをアレンジしたドリンクの名前が、上位に並んでいることが多くなりました。昔、全盛を誇った酎ハイは、影が薄くなっています。宴会のスタートは相変わらずビールや発泡酒が主流ですが、すぐに切り替えて、ハイボールに移る人が多くなっているとも聞きました。ハイボール全盛時代です。

 ご存じのように、ハイボールはウイスキーを炭酸水で割った飲み物です。ウイスキー1に対して炭酸水を3ないし4の割合で混ぜるのが一般的です。数年前から、ウイスキーメーカーの強力なキャンペーンが大きく影響しているのは間違いありませんが、ハイボール自体、手軽に飲める飲みやすいお酒として、受け入れられていることが、ポイントです。

 ウイスキーは香りがきつく、アルコールが濃いので、敬遠している人も多いのですが、ハイボールでは、ウイスキーの不利な性質をそれこそ薄めて、一方で、ウイスキーの香りの良いところはしっかり残っているのです。ここが、水割りとの決定的な違いです。

 水割りは、かなり上手に作らないと、どうしても水っぽさが消えないからです。これこそ、炭酸の効果なのでしょう。炭酸には発泡することで、ウイスキーの香りを引き立てる作用があります。また、炭酸の泡は、舌を適度に刺激するので、薄めた飲み物、という印象をかなり弱めることができるのです。

 ハイボールは、アメリカが発祥のカクテルです。なので、初期に使ったウイスキーは、アメリカ産のバーボンであったと思われます。今は、一般的なスコッチタイプのブレンドウイスキーが使われていますが、ウイスキーの種類、ブランドはたくさんあるのですから、いろいろ試してみるのも、楽しいものです。

 高級ウイスキーをハイボールにするのはもったいないと思われるかもしれませんが、決して台無しにはしません。私は、スコッチウイスキーのシングルモルトのハイボールがお気に入りです。それも、香りやアルコールの強いものをハイボールにすると、また違った味わいが出てきて、素晴らしいのです。

 ウイスキーは蒸留酒なので、酔いざめが早く、楽なことは言うまでもありません。それに加えて、アルコール量をワインや日本酒程度に抑えられるので、じっくりと長く楽しめます。流行るのは道理とも言えますね。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

北海道建設新聞社新卒・キャリア記者採用募集バナー
  • web企画
  • オノデラ
  • 川崎建設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

丸彦渡辺建設が31日付で清水建設の子会社に
2023年05月12日 (16,677)
上位50社、過去16年で最高額 22年度道内ゼネコ...
2023年05月11日 (8,418)
ラピダスの工場新築で関連企業から多数の問い合わせ
2023年05月25日 (6,552)
熊谷組JV、道新幹線トンネル工事で虚偽報告
2023年05月08日 (5,926)
砂川に複合型施設オープン シロの福永敬弘社長に聞く
2023年05月22日 (4,830)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓 new

おとなの養生訓
第255回「内臓脂肪蓄積」。ポッコリお腹は悪性肥満、生活習慣の改善が必要です。

連載 ごみの錬金術師

ごみの錬金術師
廃ガラス製品を新たな姿に。道総研エネ環地研の稲野さんの研究を紹介。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第30回「職業的背景で変わる視点」。経営には慎重かつ大胆なバランスの良い判断が必要となります。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第32回「確実に伝えたい色」。青と黄色は色覚に左右されにくい「伝える色」です。