北海道開発局は7日、建設業に関する学習や体験を通じて建設業の魅力を発信する「学校キャラバン」を美唄尚栄高で開いた。今回が初めての開催で、協力した砂子組(本社・奈井江)がICT技術を解説したほか、ドローンの飛行実演などを実施した。
高齢化などにより今後、建設業技能労働者の大量離職が見込まれる中、将来にわたる社会資本の品質確保と適切な機能維持を図るためには、若者の入職・定着を促し、人材を確保することが最重要課題となっている。
建設業への就職を希望したり、建設業の理解者や応援者を増やすためには、建設業の魅力ややりがいを広くPRする必要があることから、高校生に建設業に関する学習や体験をしてもらうキャラバンの開催を決めた。
この日は美唄尚栄高の工業系列の2年生14人が授業に参加した。はじめにDVDを観賞し建設業に関する知識を深め、その後、砂子組の担当者がドローンの仕組みや活用法、情報化施工などに関して説明。「当社では新しい技術に挑戦し施工の効率化を図るとともに、人材を育てることを第一にしている」と話し、建設業に若い力が必要であることを訴えた。
座学に続いては、屋外で砂子組の社員がドローンを飛ばしたほか、生徒たちもドローン操作のシミュレーションを行い、自分の思い通りに軌道が描けているか体験した。
授業に参加した山中勇人さんは「土木にも機械が導入されていることが分かった。自分の親は建設業だが親の仕事への理解も深まった」と話し、充実した表情を見せていた。
主催した北海道開発局の斉藤洋一建設産業課課長補佐は「生徒たちは一生懸命話を聞いていて、ドローンの実習も夢中になっていた。初めての取り組みだったが手応えがあった」と話していた。同局では今回の取り組み内容を踏まえ課題などを整理し、次回以降の実施について検討することにしている。