おとなの養生訓

おとなの養生訓 第101回「お酒と音楽」 味や香りが一段と深く

2016年11月25日 18時14分

 昔、父方の親戚が集まると、必ず酒宴、そして叔父、叔母たちが次々と、持ち歌を披露していました。もちろん祖母も歌い、ついには歌がうまい弟が引っ張り出されます。それはそれは賑やかでした。ただ、父が歌うマイナー調の「赤とんぼ」だけには閉口していましたが…。そんな環境で育ったためか、酒席と音楽はつきものという考えが、私の根底にあります。

 学生の頃に流行り出したカラオケにも、抵抗なく入り込んで、もう何十年も歌い続けている始末。宴会ではなく、一人で静かに飲んでいる時も、音楽は欠かせません。とくにウイスキーをチビチビやっているときには、ジャズが最高。この時だけはなぜかマイルス・デイビィスです。これを聴いていると、ウイスキーの味や香りが一段と深くなります。やはり音楽とお酒は深い関係があるのでしょう。

 事実、お酒を飲む場所には、必ず音楽が流れていますね。バーやパブなど洋酒を提供するところだけでなく、居酒屋では演歌や民謡、小料理屋などは琴など和風の音楽、ビアホールではドイツ音楽、赤ちょうちんはラジオかな?

 もちろんバンドの生演奏などが欠かせない音楽パブやキャバレーというのもありますね。音楽が流れていないところはほとんどありませんね。実際、本当に静かだと、なんか落ち着かない感じがするものです。

 お酒と音楽の関係に目を付けた研究者が、お酒の味わいと音楽の関係について研究を行いました。静かな場所、音楽のみ流れている場所、音楽とテレビが同時に流れている場所で、色々なお酒を飲んで、その味わいを記録するというものです。

 結果として、音楽のみ流れている場所は、その他と比べて、お酒の味が甘く感じるということが分かりました。イギリスでの研究ですので、甘く感じるということは、おいしいということを意味しています。

 この辺は日本の表現と違うので注意が必要です。ただ、音楽やテレビなど色々な音が騒々しくしているのではなく、音楽のみが大事だという意味では、音楽とお酒の強い関係性を示す研究といえます。

 ただ、もしそうだとすると、いい音楽がかかると酒量が増える危険性が高まります。これは気を付けなければなりません。最近、飲み過ぎなのは音楽のせい?いや、自制心の欠如です…。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 古垣建設
  • オノデラ
  • web企画

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

住友生命、札幌ビルの建て替えを検討 入居ホテル24...
2022年12月09日 (1,827)
おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,535)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,271)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,172)
おとなの養生訓 第170回「昼間のお酒」 酔いやす...
2019年10月25日 (1,080)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。