十勝管内で砂利の供給が逼迫(ひっぱく)している。台風災害復旧工事の本格化に伴い需要が大幅に増加したためで、路盤材や基礎砂利、コンクリート用骨材、舗装用骨材なども品薄の状態だ。十勝骨材共販協同組合(15社17プラント、斎藤悟郎理事長)は「各組合員が自助努力で生産数量を上げているが、在庫がいつ切れてもおかしくない」と話し、場合によっては供給不能も予想されるなど事態は深刻化している。
骨材共販協組 冬迎え在庫切れを懸念
組合によると、原材料の調達場所は2、3年前から決まっており変更はなかなかできない。調達から原石輸送、製品化まで時間がかかり、調達場所の埋め戻し作業もあって急な生産は難しい。昨年の台風災害が起こる前は管内の事業量の大幅減少に対応するため、各社とも輸送用ダンプや人材などを絞り込み生産や在庫の縮小を余儀なくされてきた。このため、工事があるからといって簡単には増産できないという。
組合員としても手をこまねいていたわけではない。関係者は「災復工事に向け30%程度増産してきたが、7月からは注文に追い付けない。ダンプも人も限りがあり要求に応えられない」「特にコンクリート用骨材や舗装用骨材は生産している工場に限られ、生産工程からもなかなか増産が難しい。労働時間の制約もあり綱渡りだ」と頭を抱える。
増産困難、春工事に影響も
組合員の中で協力し、地区(ゾーン)内で供給ができないとなれば、ほかの地区から輸送するなど融通してこれまで安定供給を目指してきたものの、冬季を迎えて出荷停止のリスクにさらされる。「製品化しても凍結の影響で不良品の発生率が高まり、効率的でない」と、基本的にプラントをストップする方針の所もあり、「今あるもので対応しなければならないが、いつまで在庫が持つか」と春工事への影響を懸念する。
不足が見込まれる地域はほぼ十勝全域で、地域によっては全くない骨材もある。組合では、発注機関や需要者に対して工事場所や内容を事前に相談してもらえれば対応できていたが、今後は「来年夏ごろまで組合員間で連携しても要望に応えられるか不透明だ」と指摘する。
こうした事態に別の関係者からは「ここ数年、管内の工事量のアップダウンが激しすぎる。採取から製品化まで複数の工程を経る骨材は急な増産は難しい。安定供給に支障を来さない工事量の措置継続を望む」と訴える声が出ている。