室蘭市、室蘭観光協会、室蘭商工会議所などで構成する室蘭観光推進連絡会議と道南バスが運行する室蘭夜景見学バスが、10月に2017年度の営業を終えた。毎週土曜日とゴールデンウイーク期間中のほか、7、9、10月の3連休の日曜日に限定した運行だが、17年度は道外からの乗客も多く、定員に対する乗車率が約9割に上った。好調の理由や、次年度に向けての意気込みなどを、室蘭観光協会の仲嶋憲一事務局長に聞いた。(室蘭支局・安藤 友康記者)
―室蘭夜景見学バスとは何か。5年目の乗車状況は。
2013年度から運行を始め、本年度で5年目を迎えた。6月から10月にかけての土日祝日やゴールデンウイークなどの連休に運行しており、料金は1000円。祝津公園展望台、白鳥大橋、陣屋除雪ステーション、崎守のビューポイントなど、室蘭の工場夜景を見られるスポットを巡る。地元を知り尽くしたツアーガイドが同行し、案内も行っている。
16年度は、JXTGエネルギー室蘭製造所で事故が発生するなど工場夜景観光にとって障害もあり、利用率は7―8割程度にとどまった。本年度は予想以上に好調で、定員40人に対し30人台後半の利用があり、増便も出すほど盛況だった。
―好調の理由をどう捉えているか。
具体的な乗客数などはまとめている段階だが、前年度を超えたのは間違いないはずで、予想以上の成果。16年度のような障害もなく順調に進んだことと、プロモーション活動を通し雑誌で取り上げてもらうなど、積極的に動いた成果が実ったのではないだろうか。
本年度は、札幌のほか道外からも多く乗っていただいた。道外客は1割ほどで、集客効果も上がっている。40―50代が多いが、特定の年齢層だけではなく、老若男女幅広く乗っていただいた印象がある。
―JXTGエネルギー室蘭製造所撤退の影響は。
ライトアップされている集合煙突や、工場の作業灯が消えることで観光への影響が懸念されているが、撤退が決まったばかりのいまの段階では、流れも含めて最終的な姿が見えない。煙突のライトアップについても、地元がどの程度費用を負担するのかなど、交渉ごとがまだまとまっていない状況だ。
工場の明かりは、あくまでも工場のためのもの。観光の立場では〝漁夫の利〟と考えており、あくまで利用させていただいているという気持ちだ。17年度のデータを基に、運行を担っている道南バスを交えて検討し、改善点などを考えた上で6年目に臨みたい。