おとなの養生訓

おとなの養生訓 第107回「お豆」 タンパク質不足を補完

2017年02月24日 17時48分

 お酒のお供としてお豆は、一つの定番です。ビールに枝豆、ウイスキーにはナッツ、ワインはヒヨコ豆やレンズ豆の煮込み、日本酒なら納豆がいいですね。豆腐は大豆で作りますが、日本酒には最高であります。

 豆類はエネルギー豊富な食べ物で、主食としても十分に役割を果たすものです。しかし、同様に主食として扱われる米、麦、トウモロコシ、イモなどとは異なった栄養的な特徴を持っており、しばしば、「体に良い食品」として扱われています。

 まず、第一にタンパク質が豊富であるということです。最近、脂肪を気にして肉類を控える人の中で、タンパク質が不足する傾向が見られます。タンパク質は体を作り整えるのに不可欠な栄養素ですから、これを豆で補うのは理にかなっているのです。

 さらなる特徴は、ポリフェノールが豊富に含まれているということです。ポリフェノールは動脈硬化を抑え、生活習慣病を予防するのに効果があるとされています。また、食物繊維も豊富です。食物繊維は脂肪や糖質の吸収を遅くする作用があり、結果的にカロリー摂取量を抑えられるので、肥満や糖尿病の予防に有効であるとされています。

 加えて、食物繊維は腸に常在するいわゆる善玉菌のえさとなるので、善玉菌が増えて腸内環境を整える効果が期待できます。そうなると、胃腸の働きは改善され下痢や便秘を防ぐことができるのです。

 色々と効能が挙げられているのですから、お酒のおつまみとして利用しない手はありません。でも、やたらとたくさん食べればよいという訳でもありません。脂肪の含有量が多いお豆は要注意です。

 とくにピーナッツは格段に脂肪が多く含まれていますので、食べ過ぎるとオーバーカロリーになってしまいます。お酒のおつまみとする場合は、「一晩に20粒まで」という人もいます。しかし、20粒まで数えながら食べるというのは興ざめですね。

 一方、大豆も脂肪が多い豆なのですが、加工の途中で脂肪分が抜けるので、大豆を原料にした豆腐、湯葉、納豆などはさほど気にする必要はありません。ただ、煎り大豆は脂肪が残っていますので、加減した方がよいでしょう。

 そんな御託を並べなくても、ビールは枝豆、日本酒は冷奴に決まっているだろうと、声がします。人は体に良いことを自然と選んでいるのです。不思議ですね。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


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