再度災害防止へ 本復旧推進
室蘭開建 平野令緒部長
―開通までにどんな苦労があったのか。開通に至った率直な気持ちは。
何とか10月中に開通させることができ、ほっとしている。限られた時間の中でどうやって現場を回し、業者間や他の行政機関と調整するかが今回の課題だった。不通が北海道全体に与える影響の大きさと、災害復旧の重要性を伝え、相手方に理解を求め続けてきた。
設計・施工業者の皆さんには、昼夜も天候も問わず、とにかく頑張っていただき、開通の日を迎えられたことに感謝している。日高町内での式典を通して皆さんの苦労をたたえることができ、心の底から感謝の気持ちを伝えることができて本当に良かった。
―自然の厳しさと対峙(たいじ)した湯沢河川国道事務所の経験はどう生かせたか。
湯沢河川国道事務所在籍時には、水害、土石流、雪害などの対応に追われ、厳しい自然環境に向き合ってきた。災害対応に立ち止まって悩んでいる時間はない。〝即断即決〟の精神で、前へ前へと進めることが必要で、常に現場の状況を聞きながら、止めずに動かし続けることが大事だと経験した。
管理者側の役割として、まずは方針を示して、私に権限がない部分は、他に頼むことが必要だと捉えている。今回もできるだけ即断即決を心掛けて対応に当たった。日勝峠については、今後どういう管理をしていくかが重要で、通行規制の雨量基準値を設けることにした。安全な道路管理に向けて、今回の経験を生かしていきたい。
―仮橋の工事も残っている。本復旧に向けてどう動くのか。
今後の工事としては、単なる原形復旧ではなく「再度災害防止のために復旧を目指す」ことが大きな方針。同じだけの外力がかかっても被災しないようにする必要がある。冬季も引き続き工事を続け、具体的な時期はまだ示せないが、暫定的に整備した仮橋3橋の本復旧などを、来年度のできるだけ早いうちに終えたいと考えている。
再度災害防止のために、これら3橋は橋長を長くしている。9合目で破損した覆道を取り払った箇所は、今シーズンの雪の降り方を見て、必要とあれば再整備を考える。このほか一部ガードレールの仮設にとどまっている箇所を整備し本復旧を迎えたい。