おとなの養生訓

おとなの養生訓 第112回「塩味の効果」 甘味やうま味引き出す

2017年05月11日 18時08分

 スイカを食べるとき、食塩を添えることは、かなり一般的です。スイカに塩をかけると、もちろん、塩味を感じるのですが、次の瞬間、スイカの甘味が強調されておいしく感じられるのです。実は、汁粉や甘酒に塩を一振りすることで、甘さが引き立つことが分かっています。そういえば、和風の甘味処では、汁粉やぜんざいの添え物としてしょっぱい漬物がついてきますが、これも、甘さを引き立てる効果を狙っているのです。

 一方、みそ汁にも塩味とうま味の効果があります。うま味であるだし汁は、それだけではぼやっとした味で、甘いのかしょっぱいのか分かりません。また、単純にみそをお湯で溶いても、ただしょっぱいだけです。しかし、この二つの味を合わせると、おいしいみそ汁が出来上がります。すまし汁もだし汁だけでなく、一振りの塩で完成するわけです。

 このように、塩味は甘味やうま味を引き立てる効果があり、これを対比効果と呼んでいます。だからなのか、日本人は甘じょっぱい味が大好きです。煮魚、肉じゃが、すき焼き、かば焼き等々…。これがまた日本酒に合うから困ったものです。

 塩味には、もう一つ別な効果があることが指摘されています。それを抑制効果といいます。酢はそれだけだとツンツンとして、ひたすら酸っぱいだけですが、寿司の中では酸味が和らいで、酸っぱさがうまさに変わります。これは酢飯の塩味やつけ醤油などが、酢の酸味を適度に抑制する効果を示すからなのです。

 塩味は苦味に対する抑制効果も指摘されています。本来は苦いだけのビールですが、色々なつまみと一緒に味わうと、苦味のカドがとれておいしさに変わります。枝豆、ポテトチップス、ピーナツなど塩味の強いつまみがビールに合うのは、このためだといわれるのです。

 こうしてみると、塩味はとても大事なはたらきをしているのが分かります。かといって、少しでも塩を多くしてしまうと、もう塩辛いだけで食べられたものではありません。ほどほどの塩がいいのです。塩味は料理をまとめるものだと、料理人に聞いたことがあります。料理にあたっての塩加減は料理の良しあしを決めるわけです。塩分に気を付けなければならない方、塩味はほどほどがいいのですよ。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


おとなの養生訓 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

地番や用途地域がわかるe-kensinマップにはヒグマ出没情報や不審者出没情報も地図上で確認することができます。
  • オノデラ
  • 東宏
  • 北海道水替事業協同組合

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

札幌駅の新幹線ホームイメージ 札幌市が公表
2019年09月21日 (4,386)
札幌・南2西3南西地区再開発 23年4月開業へ工事着手
2019年10月02日 (2,317)
上空をデッキで接続検討 北5東1街区と北5西1・2
2019年10月01日 (2,158)
大和ハウス 札幌・円山の中古マンションをホテルに改修
2019年09月17日 (1,947)
カレスサッポロ 札幌・北4西18の複合施設に着工
2019年10月07日 (1,619)

連載・特集

連載 おとなの養生訓new

おとなの養生訓
第168回は「カロリーと肥満」。同じ カロリーでも、たんぱく質を多く含む 食べ物は肥満になりにくいです。

連載 深掘り

深掘り
地域発展には欠かせない、新技術と それを発展させたビジネスの創出。 〝勝ち〟にこだわる経営者らの発想や アイデアを紹介します。