国土交通省は13日、札幌市内の北海道建設会館で「建設産業女性活躍セミナー」を開催した。参加した会社経営者や女性技術者ら約60人が、パネルディスカッションなどを通じて、女性の入職や定着、活躍に向けた取り組みを考えた。
女性の視点を生かした店舗デザインなどを手掛けるゼムケンサービス(北九州市)の籠田淳子社長が基調講演。子育てなどの経験から「ワークライフバランスを経営理念にして、さらにワークシェアリングを導入した。女性、男性の個性を大切にした働き方が大切」と呼び掛けた。
パネルディスカッションでは、日本データーサービスの田原さゆりさん、鹿島北海道支店の土山淳子さん、勇建設の飛田史枝さん、ビーゴーイングの山崎裕子さんをパネリスト、籠田社長をコーディネーターに迎え、女性の入職・定着などをテーマに議論。
田原さんは女性が活躍するには「育児中は、夫が早く帰れるような仕組みを経営トップが考えてほしい」と提案した。
山崎さんも「産休後はどうしたらいいのか相談する人がいない」とロールモデルの不在を指摘。
土山さんは定着には「若いうちから楽しいと思い、仕事に誇りを持つことが大切。そうすることで多少の困難は乗り越えられる」との考えを披露した。
飛田さんは「橋の現場でアルバイトしたとき、立派な橋が完成して感動した。プライドを持って働いている人を見て、やりたいと思った」と入職の動機を語り、入職促進に向け「小学生のころから体験させては。自分の子どもはそれで身近に感じていた」と経験を話した。