女性とび職人として第一線でさらなる活躍を目指す―。イゲタ晴森組(本社・帯広)に勤務する佐藤智恵さんが1級とび技能士、渡辺悠子さんが2級とび技能士にそれぞれ合格した。特に佐藤さんが取得した女性のとび1級合格は十勝管内では初めての快挙。2人とも仕事の合間や休日を活用しながら勉強と実技試験の練習を重ねて難関を突破した。9月29日に合格発表があり、7日に合格証書が交付された。
佐藤さんは滋賀県の定時制高校を卒業し出身地である北海道に戻ってとび職に就いた職歴20年の経験者だ。実技試験に向けて自宅に資材を持ち込み1級技能士の夫と一緒に休日返上で練習。「良い先生でした」と笑顔で振り返る。
渡辺さんは帯広柏葉高定時制を卒業して同社に就職しことしで6年目。忙しい現場作業の合間を縫って実技試験の練習を重ねてきた。「合格できたのは先輩の教えがあったから」と感謝を口にした。
2人とも日々変わる現場を見るたびに仕事のやりがいを感じている。渡辺さんは「やっとここまで出来上がったのかと実感できるのは魅力の一つ」と話す。同社の辻丸泰正部長は「現場でも普段から男性に負けないくらい頑張っている。これからも技術と技能を磨いて、さらなるスキルアップを図ってほしい」と期待を掛けている。
今後に向けて渡辺さんは「力では男性に負ける部分もあるが、仕事がスムーズにできるよう技術をより高めていきたい」、佐藤さんは「とびの仕事はチームワークが求められる。いろいろな業者と関わりながら仲良く仕事していけたら」と意気込み、これからも職人の道を突き進んでいく。