北海道新幹線札幌延伸の終着となる札幌駅ホーム位置は、決定を見ぬままに新年を迎えた。認可案と東案、地下案の3案で進む検討の具体的な内容は費用の一部を負担する札幌市、北海道にも示されずにいる。北海道、札幌の玄関口となる駅前でのまちづくりへの影響も大きく、新年早々、両自治体トップからは情報共有と早期決定を求める声が上がった。
鉄道・運輸機構とJR北海道、道、市の4者は2017年12月18日に事務レベルの会議を開き、検討状況を共有した。費用の大きさから、関係者間に地下案採用が難しくなったとの見方が広がる中、4日の年頭会見で道と市の両トップは、詳細な状況説明と早期決定を求めるコメントを出した。
札幌市の秋元克広市長は「会議で機構から地下案は非常に経費がかかるため、なかなか難しいという話があったようだ。ただ、最終判断ではないと聞いている」と説明。その上で、3案の課題や経費を開示して議論を進めるよう伝えたことを明らかにした。
高橋はるみ知事も「会議では地下案を検討から外すという説明はなかったと聞いているので、現在も3案で議論を重ねていると理解している」と説明した。
人の流れを左右するホーム位置は、市が進める駅前のまちづくり計画にも影響が大きい。秋元市長は、方向性を決めた上で20年度までには都市計画決定手続きに入る必要があると指摘。「そう残された時間はない。ことしの早い時期に情報提供を」と要求した。高橋知事は「駅前を含めた、まちづくりの観点からも一日も早く決着しなければならない」と強調。検討結果の提示とともに、経済界の意見も十分に聞くよう強く申し入れる意向を示した。
検討状況について鉄道・運輸機構は「3案で検討を進めているが最終的な結論は出ていない。JR北海道とも調整して、地下案を含めた検討結果を、できるだけ早く道と札幌市に示したい」と述べた。