中古住宅リノベーションの「リノベる」が道内に進出

2018年01月29日 19時00分

 中古マンションのリノベーションサービスを手掛けるリノベる(本社・東京)が道内に進出した。エリアパートナーを務める高橋産業(同・札幌)の住宅建材流通の実績を生かし、道内でも関心が高まるリノベーション需要に応える。27日、札幌市中央区にショールームをオープンした。

 リノベるは、中古住宅の仲介と資金計画、リフォームの設計施工をワンストップで提供するサービスを展開。ネットでの集客を軸としながら、近年は直営店とフランチャイズ合わせて全国に約30拠点の実店舗を拡大している。

 物件の購入費を抑え、購入者の生活スタイルに合わせた間取りや内装に仕上げられるリノベーション。中古住宅の流通に向けた国の動きも後押しし、2010年の創業当時は年間10件だった同社の実績は、16年度には320件に拡大。累計実績は1200件に達している。内装だけでなく、床下の配管や遮音まで造り替えることで物件そのものの資産価値も高めるのが特徴だ。

 道内では、高橋産業のリノベる事業部が設計と営業を担い、地元工務店に施工を発注する。同社の高橋聡一朗社長は「長い目で見れば除雪の心配がなく、まちにアクセスしやすい都心部の需要が高まっていく」と話す。

 リノベーションに特化した事業を展開する道内企業はまだ数社ほど。資材流通で培ったネットワークに、リノベる事業のノウハウや情報を生かすことで、道内でのリノベーションの情報提供の場になることも狙いの一つだ。マンション一室からのリノベーションでノウハウを培い、大手との差別化を図る。

 高橋社長は「人手不足が進む中、中小企業が大きな仕事を取ってくることが難しくなっている。これからリノベーションへと業界がシフトしていく中で、新しい仕事を創造するだけでなく、工務店や他業種とも力を合わせて、良いネットワークをつくっていけたら」と期待を込めている。

 築48年のマンションの一室を改修したショールームは、アウトドア好きな30代の3人家族を想定し、キャンプ用具を置ける広い土間やインナーバルコニーを設置した。

 業界関係者を集めた26日のプレオープンイベントでは、設計を担当した高橋産業リノベる事業部の熊谷幸雄ディレクターが設計時の工夫を紹介。「解体してみるとブロック壁で壊せない部分があったり、中古物件ならではの課題もあった。実際の施工では、臨機応変に対応したい」と強調した。

 リノベる福岡ショールームの長岡誠也SR長によると、同社サービス利用者の約3割が単身女性で、若者世帯のニーズも高い。「駅との近さや、無垢(むく)材などこだわりを反映した内装は新築では圧倒的にコストがかかる。ノウハウを生かした提案で対応していきたい」と話している。


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