北洋銀行は30日、2018年の道内企業業況見通しを発表した。公共事業の増加で好調だった建設業の反動減などで、全産業DIの売り上げは前年を6ポイント下回るプラス3と予測。利益は人手不足に伴う人件費の増加や原油高への懸念から6ポイント下回るマイナス7とした。
道内の取引先702社に昨年11月中旬から12月中旬に調査し、建設業77社を含む383社が回答した。回答率は54.6%だった。
17年は、台風被害による復旧工事などで公共投資が増え、建設関連業種が改善したほか、ホテル・旅館業も訪日外国人の好調を受けて回復を見せた。一方、水産関係の不漁や原油高の影響で食料品製造業と運輸業が悪化。その結果、全産業では売り上げDIが前年比13ポイント増のプラス9と上昇したが、利益DIは横ばいのマイナス1にとどまった。
18年は売り上げ、利益ともに悪化する見通し。復旧工事の発注が一巡したことによる反動に加え、人手不足に対する賃金引き上げなどでコストが増すため、利益が圧迫するとみる。
製造業のDIは売り上げがプラス7、利益がマイナス5でどちらも上昇すると予測。17年の不漁に伴う落ち込みで、悪化していた食料品が持ち直すとしたほか、鉄鋼・金属製品・機械も建設用の部品需要や輸出の増加が見込まれるとした。
非製造業のDIは、これまで好調だったホテル・旅館業が人手不足の影響などで大きく悪化するとみており、売り上げがゼロ、利益はマイナス7とともに悪化を予測。原油価格の高止まりにより、運輸業や卸売業で利益が下がるとみる。
建設業については、民間需要はあるものの、土木を中心に低下していくとし、売り上げは29ポイント減のマイナス10、利益は25ポイント減のマイナス10といずれも大きく悪化。建設関連企業からは「専門職の不足が大きな問題」「本年度は災害復旧工事があり順調だったが、来年度は見通せない状況」といった雇用動向や公共投資の先行きを心配する声が寄せられた。