空知は建物全壊8371棟 道防災会議地震専門委が被害想定

2018年02月02日 12時00分

 道総務部は1日、札幌市内のかでる2・7で北海道防災会議の地震専門委員会(委員長・岡田成幸北大大学院工学研究院特任教授)を開いた。減災目標の設定に向け、今回は空知と上川管内を対象とした内陸部の地震被害想定調査結果を公表した。空知管内では沼田―砂川付近の断層帯で、マグニチュード(M)6・9の地震で建物被害が全壊8371棟という想定となった。今回の公表で、全道14総合局・振興局管内の調査結果が出そろった。

 この調査は、2012年度から全道14管内で順次実施してきた。冬季の午前5時において各管内で人的被害が最大となる地震動による被害を想定している。中央防災会議などの想定手法により算出したもので、具体的な被害発生箇所を特定するものではない。

 空知管内の沼田―砂川付近の断層帯は、M6・9、震度7の地震を想定。この地震により管内では建物総数16万2359棟のうち全壊は8371棟、半壊は7112棟と推計した。ライフラインは、総延長5690㌔の上水道が1・4㌔当たり1カ所、下水道が総延長2210㌔のうち5.45%が被災するとした。最大復旧日数は、上水道が147日、下水道が21日を要する。

 総延長1374㌔の主要道路は11・2㌔当たり1カ所の割合で被害があり、15m以上の橋梁については1555カ所のうち2.29%が不通になるか通行に支障が出るとした。人的被害は死者366人、重軽傷者768人、避難者3万7930人と推計している。

 全道14管内の被害想定調査で抽出した案件に限れば、沼田―砂川付近断層は死者数と建物全壊棟数が石狩管内の月寒断層に次ぐ多さとなった。

 一方、上川管内は富良野断層帯西部のM6・7、震度7を想定して算出。管内の建物被害は総数22万4059棟のうち、全壊が1322棟、半壊が1892棟と推計した。ライフラインについては、総延長5139㌔の上水道は5・4㌔当たり1カ所、下水道は総延長2554㌔に対し1.53%が被災するとした。

 また、総延長1586㌔の主要道路は49・6㌔当たり1カ所、15m以上の橋梁は1938カ所のうち、0.74%で不通か通行支障を見込む。人的被害は死者が46人、重軽傷者が518人、避難者が1万2216人と算出している。

 今後は、国が18年度に予定している「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の地震防災戦略」の改定や、道が進める各地域の地震・津波想定がまとまった段階で、同委員会の減災ワーキンググループにおいて、全道の減災目標と被害対策を検討する。


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