学校法人美専学園北海道芸術デザイン専門学校(杉沢投吉校長)は、第50回卒業制作展を1日から、札幌市内の同校校舎で開いている。道内美術系学校では最大規模の催しで、卒業生216人の計1778点を5日まで展示している。1日には各分野のプロを招き、賞の選考会を開いた。
建築デザイン学科では、建築士を専攻する21人が51点を出展。このうち7人の7作品が賞候補作として、中山真琴nAナカヤマアーキテクツ社長、赤坂真一郎アカサカシンイチロウアトリエ社長の選考を受けた。
中村悠佑さんの『漁業都市の船出』は、かつてニシン漁で栄えた江差町に市場、水産加工場、食堂、養殖場を兼ね備えた複合施設を建設する計画で、海を引き込みつつ高低差を付けた敷地内で物流の流れを形成するもの。地域の未来を見据えたデザインに加え経済や人口動態への深い分析、レベルや屋根の形状など細かな気配りが高く評価され、両審査員から満点の評価を受けて最優秀賞に輝いた。
中山社長は、講評で「卒業生のレベルが年々上がっている」と称賛。このほか両社長から7人に、建物の美しさを追い求める「鳥の目線」のみではなく、施設の利用者を思いやる「人の目線」でのデザインを心掛けるようアドバイスが送られた。