7割で修繕必要 道建設部が道路施設長寿命化計画

2018年02月07日 08時00分

 道建設部は、トンネルやシェッド・シェルターなど道路施設5種類の長寿命化修繕計画をまとめた。道が管理する施設は5種類合わせて589カ所。このうち、点検により修繕が必要と診断されたのは71.1%に当たる419カ所で、おおむね5年を目安に補修が必要となる早期措置段階は21.9%の129カ所となった。施設別の早期措置対象は、トンネルが42%に当たる50カ所、シェッド・シェルターが31.1%の65カ所など。概算修繕費用は、トンネルが耐用年数の75年間で約224億円、シェッド・シェルターは60年間で約245億円を試算している。

道建設部が点検結果反映

 同計画は、2013年度に国が示したインフラ長寿命化基本計画に基づき、道が15年度に策定した北海道インフラ長寿命化計画の行動計画の個別施設計画として位置付けるもの。橋梁は策定済みで、17年度はトンネル、シェッド・シェルター、大型カルバート、横断歩道橋、門型標識の5種類の計画をまとめた。当初は18年度に策定予定だったが、大型構造物の老朽化対策の要件として個別施設計画が必須となったため、17年度に前倒した。

 トンネルは、建設後50年以上となるものが今後加速度的に増えていく状況にある。これまでの点検結果から、道が管理する119カ所のうち109カ所の修繕が必要とされた。早期措置段階の対象が50カ所で、機能に支障はないが予防保全の観点から措置が望ましいとする予防保全段階が59カ所となっている。早期措置の対象施設には、別海厚岸線散布トンネルや忠別清水線トムラウシ第2トンネルなどが上がっている。

 シェッド・シェルターは、道が管理する209カ所のうち1985―94年に竣工したものが約半数を占め、トンネルと同様に今後古い施設が増加していく。点検によって修繕が必要だと診断されたのは195カ所で、内訳は早期措置段階が65カ所、予防保全段階が130カ所となっている。早期措置の対象は、礼文島線駒谷崎覆道や岩見沢三笠線桂沢覆道など。

 アンダーパスなどの大型カルバートは、55カ所を道が管理している。早期措置段階は2カ所のみだが予防保全段階が32カ所あり、合計34カ所の修繕が必要となっている。室蘭環状線鷲別アンダーパスと東山富良野停線富良野中央こ道橋が早期措置の対象となっている。

 横断歩道橋の道管理分は29カ所。84年以前に設置されたものが大半で、27年度以降に建設50年以上となるものが急激に増加する。点検結果では早期措置段階が10カ所、予防保全段階が11カ所の合計21カ所が修繕必要箇所となっている。千歳インター線本町横断歩道橋や室蘭港線千歳横断歩道橋などが早期措置対象となった。

 門型標識については、30年後から老朽化が急速に進む。道が管理する177カ所のうち60カ所の修繕が必要で、早期措置段階が2カ所、予防保全段階が58カ所。石狩湾新港線で小樽市内にある施設などが早期措置の対象となっている。

 修繕の基本方針は、いずれも早期措置段階にある施設の補修に短期的に重点投資した上で、段階的に予防保全型の維持管理へと移行する。事後保全型の維持管理から、定期的な点検と修繕を繰り返すメンテナンスサイクルへと転換することで、維持管理コストの低減と平準化を図る。

 予防保全型の維持管理による耐用年数期間中の概算修繕費用は、トンネルで約224億円と事後保全型よりも約277億円縮減する。シェッド・シェルターは約212億円縮減して約245億円を試算する。このほか、大型カルバートは約95億円、横断歩道橋は約8億円、門型標識は約9億円を予防保全型の概算修繕費用に見込んでいる。


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