高橋はるみ知事は21日、定例記者会見で北海道新幹線の札幌駅ホーム位置について、今後のインバウンドの増加などを勘案すると、ゆとりのある駅舎が必要という理由から、「東案その2(大東案)がいいと思う」という考えを初めて表明した。
高橋知事は、現時点で判明している情報の範囲内で個人的な意見と前置きした上で言及。新千歳空港での航空便数や利用客数が右肩上がりとなっている現状や、ニセコ・倶知安地区の投資過熱を考慮して「これからさらに客が増え、多くの人が新幹線を使うことが容易に想像できる」と述べ、「当面の終着点である札幌駅は、キャパシティーある駅舎である必要がある」との認識を示した。
札幌都心アクセス道路の議論や利便性の理由も加えて大東案を推した。そして「いずれにしてもできる限り早く、コストや技術的課題が明らかになったら直ちに調整してほしい」と、2017年度内の決定を求めた。
札幌駅ホーム位置を巡っては、道や札幌市、JR北海道、鉄道・運輸機構、国土交通省の5者による9日の調整会議で、大東案か認可見直し案(現駅案)の2つに絞り込まれた。
20日にはJR北海道の島田修社長の要請で札幌市が大東案の協議に応じる方向にあり、大東案の実現に向けた検討が加速しそうだ。