札幌市内、中古MS価格上昇続く 5年で500万円アップ

2018年02月24日 08時30分

 札幌市内にある中古マンションの価格上昇が止まらない。不動産情報サービスの東京カンテイ(本社・東京)の調査によると、2017年12月の平均価格(70m²換算、築年数25・9年)は前年同期比6.4%増の1605万円で、5年前の12年と比べると516万円上昇した。再開発が活発化する中央区を中心に新築分譲マンションが価格高騰していることに合わせ、中古も上昇する状況になっている。

 ここ数年の12月平均価格を見ると、リーマンショック直後の09年は973万円だったが、その後、安倍政権の経済政策「アベノミクス」により円安に傾き、建設費の高騰で新築マンションの価格が上がったことと連動し、13年には1200万円台を突破。15年に1400万円台、16年は1500万円台と推移し、右肩上がりが続いた。

 札幌市の中古価格を引き上げている要因は、道内で最も事例数の多い中央区の堅調な推移にある。17年3月に入り、調査開始以来初めて1900万円台に突入し、7月には1949万円と17年で一番の高値となった。近年、JR札幌駅や地下鉄大通駅の近辺では、坪単価が200万円を超える高級マンションの発売が相次いでおり、それに引きずられるように中古物件も急騰している。

 東京カンテイ市場調査部によると、新築を購入できない人たちが中古物件に流れている一方で、最近では東京をはじめとする道外、海外の投資家らの購入も目立つという。「東京では新築、中古ともに価格が頭打ちになっている」と指摘し、開発の余地がある福岡、仙台、広島、札幌に投資の目が向いていると分析する。

 ただ、最近の札幌市中央区の値動きを見ると、価格の上げ下げが続いている。同社は、各エリアで再開発計画があるだけに価格が下がる要素は見当たらないとみているが、18年に関しては「鈍化してきただけに横ばいの方向になっていくのでは」と予測している。


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