滝川市が3団地対象に市住再編 官民一体でサ高住も計画

2018年03月02日 12時00分

 滝川市は、市営住宅団地再編プロジェクトに取り組む考えだ。対象に挙がっているのは東、開西、江南の3団地。全てを市が建て替えるのではなく、一部分を民間事業者に譲渡し、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)や子育て支援向け住宅を整備してもらうほか、地元の工務店による宅地分譲を促すなど、官民が一体となり、さまざまな住宅施策を推進するもの。地元工務店などとの連携を通して産業振興を図り、地区内の移住定住促進や活性化につなげる。

 2018―27年度を期間とする住生活基本計画素案に重点施策として盛り込まれている事業。同計画は13日まで求めているパブリックコメントを踏まえ、年度内に成案化する予定となっている。

 市営住宅団地再編プロジェクトは、市による市住宅建て替えと、民間による子育て支援向け住宅、サ高住、単身者向け住宅整備、宅地分譲を両輪で展開するもの。

 子育て支援向け住宅やサ公住、単身者向け住宅の整備については、既存住棟を民間事業者に譲渡。譲渡を受けた民間事業者が国の改修・家賃補助を利用して既存住棟の改修に取り組む形を考えており、低額所得者の住宅確保といった効果が見込まれる。

 宅地分譲では余剰地を地元工務店に売却し、地元工務店がその土地を建築条件付き宅地として分譲する流れを想定。特色のあるモデルハウスを創出するほか、地元の住宅関連産業の振興を期待している。

 また、プロジェクトには高齢者や子育て世帯といった住宅確保要配慮者向けの住宅改修や入居者負担軽減などを支援する国の住宅セーフティネットワーク制度を活用する考えだ。

 再編に取り組むのは、東、開西、江南の3団地。現在お風呂がなく、建設年度が古いことから対象に選ばれた。

 団地ごとの事業内容を見ると、東町6丁目にある東団地は1966―70年建設の簡易耐火構造平屋建てと簡易耐火構造2階建ての20棟76戸で構成しており、このうち3棟12戸を子育て支援向け住宅3棟6戸へ改修。30区画を宅地分譲地として利用する見通しで、地元工務店と連携して組織を立ち上げ、勉強会や検討会を実施しながら分譲地の受け入れを進める。市営住宅は用途廃止する。

 事業計画では、20年に既存団地解体と子育て支援向け住宅整備、21―22年に地元工務店のモデルハウス建設、宅地分譲というスケジュールを描いている。

 幸町2丁目にある開西団地は65―68年に建てられた簡易耐火構造平屋建てと簡易耐火構造2階建ての33棟145戸。

 このうち4棟16戸をサ公住4棟32戸と浴室・食事棟に、5棟24戸を子育て支援向け住宅5棟12戸とするほか、W造の市営住宅70戸を建設。一部は用途廃止・解体し、宅地分譲する。

 事業の流れとしては、20―27年にサ公住整備、21年に子育て支援向け住宅整備、22―25年に市営住宅整備、26年に既存団地解体、27年に地元工務店による宅地分譲を進める見込み。

 江部乙町東11丁目の江南団地は、67―78年建設の簡易耐火構造平屋建て30棟108戸。

 このうち、9棟22戸を子育て支援向け住宅4棟8戸(1戸当たり67m²)に、4棟14戸は単身者向け住宅3棟12戸(1戸当たり39m²)に再整備する。4棟16戸はサ高住4棟32戸に改修。規模はトイレ付きで1室当たり19・5m²としている。渡り廊下を増築するほか、食堂や娯楽室、浴室、洗濯室を備えた中心棟100m²を新設する。市営住宅は108戸をW造の56戸に建て替える。

 事業計画は、22―27年にサ高住整備、23年に子育て支援向け住宅整備、24年に単身者向け住宅整備を進め、26―27年に市営住宅を建て替える。

 3団地とも事業は現在地で実施する。民間事業者の選定方法はこれから検討するが、地域経済の活性化という側面もあるため、地元企業の参入を期待している。


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