JR札沼線(北海道医療大―新十津川間)の沿線4町長による札沼線沿線まちづくり検討会議の議長を務める上坂隆一月形町長は5日、役場庁舎で記者会見し、それぞれの地域にとって最適な公共交通体系の構築に向け、正式にJRと協議に入ることを報告した。今後は4町がそれぞれ、将来のまちづくりなども踏まえて協議を進め、その結果を共有しながら、札沼線の存廃について検討していく。
JR北海道の維持困難線区に挙がっている札沼線の沿線自治体である、当別町、月形町、浦臼町、新十津川町は、7回にわたって意見交換をしており、まちづくり検討会議と名称を改めてからも2回の会合を開いた。
前回の会合でJR側から廃線後のバス転換に関する案が出されるなど議論が進む中、4町は地域住民の暮らしに欠かせない公共交通の確保や、利便性向上は喫緊の課題であり、各町の町民ニーズに合った便利で快適な新たな交通体系の構築に向け、早急に検討を進めなければならないと判断。
そこで、正式にJRと協議に入り、①沿線のバス路線新設、既存バス路線の充実、関連経費の負担・支援②バス以外の各町の公共交通の充実・将来を見据えたまちづくりへの支援・協力③札沼線沿線の観光事業をはじめとする交流人口増加策への支援・協力―などについて、道とも連携しながら協議することにした。
協議は4町が個別に行い、その結果を検討会議として共有した上で、存廃の結論を出すことにしているが、上坂町長は「できるだけ早期に存廃について検討したいと思っている。これまで1年以上4町が一枚岩となって、町民にとって最良の決断をしようと進んできた。今後も一枚岩となって検討会議をまとめていきたい」と話している。