フランスの空港運営会社バンシ・エアポートのニコラ・ノットバー社長が9日、札幌市内で記者会見し、道内7空港民間委託に関する入札参加の検討を進めていることを明らかにした。道内の地域や空港などの動向を探るため、近く札幌市にオフィスを構え対応を見極めていく方針。ノットバー社長は民間委託に参加した場合、「空港と地域を伸ばすために大きな投資を行っていく」と話した。
バンシ・エアポートはフランスやポルトガル、ブラジルなど世界各国で35カ所の空港を運営。日本では関西国際空港と大阪国際空港に加え、ことし4月から神戸空港も手掛ける。オリックスとの企業連合により3空港の一体運営を展開する。
ノットバー社長は北海道の市場について、アジアでも最大規模のスキー場を構えていると評価。「まだ、アジアの中ではスキーは開拓されていないマーケット。こうした人たちが楽しめる場所として優れている」と述べた。
道内空港民営化については、札幌市にオフィスを設けて北海道の理解を深めるための取り組みを進めていくとし、今後の展開次第で入札を検討する可能性はあると説明した。その上で入札参加の見極めには「競争が公正であること、プロセスが公正であることが非常に重要であると考えている」と付け加えた。
新千歳空港だけでなく、釧路や帯広、旭川など地方空港にも今後の成長に可能性を秘めているとし、「投資をすることで、何らかのお手伝いができるのではないかと思っている」との考えを示した。