不動産投資会社のパーフェクトパートナー(本社・恵庭、末岡由紀社長)は、道内でのホテル事業に参入する。2月に子会社のワイワイリゾートを設立。廃業や承継者の不在に悩む地方のホテルを再生する手法を取ることで、50億円以上を投じ今後5年間で500室の取得を目指す。16日には本別温泉グランドホテルを所有・運営していた野田組(同・本別)から土地、建物を含めて事業譲渡を受けた。リニューアル事業として隣接地での別館新築などを検討している。
本別町西美里別20にある本別温泉グランドホテルは1976年にオープン。34部屋、大浴場、大広間、レストラン、駐車場などを備える。
パーフェクトパートナーは経営コンサルタントを通じて同ホテルを知り野田組と面談。野田組としても承継者がおらず、道内企業に引き継ぎたいとの意向があったため、両者の思惑が一致し、合意に至った。譲渡額は非公表としている。
今後1年で経営戦略を含めたホテルのリニューアルに関する計画をまとめる考え。既存施設の大規模改修は想定してないが、ホテル敷地内の池を生かした水上レストランやヴィラの建設のほか、隣接地1万3200m²も譲渡されたことから、30室程度の長期滞在できるラグジュアリーホテルの新築などを検討する。
同社は、人口減少でアパートやマンションなどの不動産業が将来的に限界を迎えるとの判断から、道内での訪日外国人観光の需要を見据え、ホテル事業を業務の柱に育てる方針にした。キャンプ場など指定管理者制度を活用した施設管理にも意欲を見せている。
16日の記者会見で末岡社長は「過疎地であっても民間企業として培ってきたたくましさや発信能力を生かして元気にする自信がある。承継者がいなかったり、廃業を考えている事業者や自治体があれば声を掛けてほしい」と話した。