北海道日本ハムファイターズのボールパーク(BP)を構想する日本ハム(本社・大阪)は26日、北広島市の「きたひろしま総合運動公園予定地」を候補地に決めた。同日、準備会社「北海道ボールパーク」を設立。事業化に向けた調査検討に取り掛かる。2023年の開業に向けた動きが本格化する中、新駅設置に関するJR北海道との協議の行方が注視される。
球団事業統括本部の前沢賢本部長らが北広島市役所を訪れ、上野正三市長に伝えた。
球団側は36・7haを存分に活用した緑豊かなBPのイメージ図を披露している。スタジアムの天井は開閉式か透明素材とし、天然芝レベルを確保。農作物販売や地元食材を扱うレストランが並ぶプロムナード、ホテルや温浴施設、遊具、親水公園、グランピング・バーベキューエリアなどを配置し、野球以外の豊富な楽しみ方を提示する。
市は充実した行政サポートを用意。インフラ整備では用地取得、公園区域の粗造成、既存道路拡幅、上下水道管布設、駅前広場やペデストリアンデッキを整備する。市道北進通を延伸し、市道大曲椴山線と国道274号につなぐアクセス道路の新設も計画。公園区域に関する土地の無償使用や固定資産税と都市計画税の免除など、最大限の優遇措置を備える。
■新駅協議具体化も
候補地が決定したことで、課題となる新駅設置に向けたJR北海道との協議も具体化する見込み。26日に函館市内で開かれた北海道新幹線・道南いさりび鉄道開業2周年記念フォーラムで講演した同社の西野史尚副社長は、報道陣の取材に対し、新駅設置について「日本ハムと北広島市の意見をよくうかがって、できることを一生懸命、勉強させていただく」と話した。
候補地の選定に併せ、日本ハムは、球団と電通(本社・東京)と事業推進に向けた連結子会社の北海道ボールパークを設立。札幌ドーム内にある球団事務所内に会社を設け、BPの実現に向けた調査や検討を進める。
もう一つの候補地となっていた札幌市南区の道立真駒内公園は、札幌都心から近いものの、周辺環境への影響懸念から反対の声も上がっていた。北広島市の決定を受け、秋元克広市長は「まとまった土地が見つけられず、札幌ドームを抱えるなど、北広島市と比べると、全般的に制約があったと思う」と振り返った。