世界遺産・知床の開通に向けて奮闘―。網走、釧路両開建は6日、334号知床横断道路の除雪作業を公開した。ゴールデンウイーク前の通行止め解除を目標に、建設業者による懸命な除雪作業が進んでいる。
334号知床横断道路羅臼町湯ノ沢―斜里町岩尾別間23・8㌔は、昨年11月6日から冬期通行止めとなっている。除雪は斜里側と羅臼側で3月7日からスタートした。
網走開建所管の11・4㌔区間では斜里建設工業(本社・斜里)が、釧路開建所管の12・4㌔区間は尾田建設(同・羅臼)が担当する。
斜里側では知床峠を1・5㌔越えた地点まで除雪機械が到達している。雪壁の高さは、一番高い所で約2・5mで、例年に比べ積雪量が少なく、2017年の約3mを下回った。ただ、この日午前7時の温度はマイナス4度。寒さが残る中、2台のロータリー除雪車が豪快に雪を吹き飛ばした。
網走開建網走道路事務所の川岸公文所長は「作業は順調で進捗(しんちょく)は約6割。例年より雪が少なかったため、油圧ショベルは昨年より2台少ない2台で進めている。3月に暖かい日が多く、滑りやすいため人力での作業には注意が必要」と気を引き締めている。
斜里建設工業の上野義明副社長は「作業を進めていると、圧雪や氷で滑りやすい場所が多いと感じる。無事故無災害で業務を完了したい」と意気込んだ。関係者による懸命の作業が後押しし、もう少しで知床にも春の訪れがやってくる。