小さなまちのボールパーク 日ハム球場北広島へ(上)

2018年04月12日 17時00分

ベットタウンから転換図る

 北海道日本ハムファイターズのボールパーク(BP)候補地として、きたひろしま総合運動公園予定地が選ばれ、札幌市のベッドタウンから独自のまちづくりへと転換を図ろうとする北広島市。スタジアム建設だけでも500億円のビッグプロジェクトが、地域にもたらすインパクトは計り知れない。他球団の拠点と比べ小規模な自治体が、時間的余裕がない中で関連機関から支援を引き出し、財政的負担を最低限に抑えながら2023年の開業を無事迎えることができるのか。小さなまちの挑戦が、これから始まる。(建設・行政部 本間 愛理記者)

 「北広島に決まったら決まったで大変」と決定前から道のりの険しさを覚悟していた上野正三北広島市長。協力要請のため、4月に入るとすぐに北海道開発局、JR北海道、道と関係機関を訪問した。BP構想の実現は「北広島だけではできない」と繰り返す。

財政運営について語る上野市長

 だが、JR北海道の新駅設置や輸送力強化についての答えはすぐには出ず、道はプロジェクトチームの発足を決めたものの、第1回会合はこれから。道と球団、市の3者による実務者協議もまだ動きだしてはいない。しかし球団は20年の着工を目指しているため、時間はあるようでない。

■12球団最小本拠地

 北広島は12球団の本拠地のうち、政令指定都市や県庁所在地ではない最も小さなまち。人口5万9000人、一般会計は18年度当初予算で約235億円、うち普通建設事業費は約28億円という規模だ。市は「財政推計を十分に行い、過度な負担とならないようにする」と説明するが、市民も市議会もBP構想が財政に与える負担を懸念する。

 公園区域の粗造成、市道北進通の拡幅、上下水道管の布設などは市の担当。加えて、ホテルや商業施設、レジデンスなどを除く公園施設の土地使用料、固定資産税、都市計画税は免除する。

■財源確保策を検討

 BP構想が成功すれば、市にとっては将来にわたる財源となり得る。だが、実際に利益を受けるまでの間、バランスを取りながらの財政運営は容易ではない。

 社会保障費をはじめ、学校大規模改修や給食センター改築、公共施設や道路の改修など、削減不可能な事業は多く、BP関連費用が上乗せされれば、それだけ支出が増えるということだ。

 市による長期的財政推計はまだ明らかになっていない。ただ、誘致によって市民が抱く夢や希望、元気、将来市が徴収できる税などをプラスマイナスしたら「損じゃない」と上野市長。「短期間で元を取るのは無理。でも、投資しなければ将来の子どもたちに何も残せない」と話す。

 負担を減らすため、国や道の補助、ふるさと納税、クラウドファンディング、コミュニティ・ボンドと考えられる財源確保策は全て検討する姿勢だ。

■経済効果期待高く

 BPが札幌市内に立地する場合と比べ、北広島ではより広域的な経済効果が予測されている。市内の建設業者は「市が実施するインフラ整備だけ考えても、仕事が増える」と歓迎。開業前から建設関係者でにぎわい、飲食など商業需要が高まるはずだ。開業後、人の流れが増えれば街並みは変わる。恵庭や千歳など近郊でも、波及効果や人口増への期待が高まっている。


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