測量業界に外国人材を フィリピンで子どもたちの教育支援

2018年04月18日 17時00分

■国内受入など模索

 「測量業界が外国人材を受け入れる切っ掛けにできないか」―。フィリピン北部の都市・バギオで、貧しい家庭に生まれた子どもたちの教育を支援する基金活動に取り組む北海航測の矢橋潤一郎社長は、道内に支援の輪を広げながら、人材の国内受け入れなど交流の発展を模索している。

 首都マニラの北250㌔の高地にあるバギオは、第2次世界大戦の激戦地。戦前は、多くの日本人や日系人が居住した。

 終戦で現地に残された日系人は、迫害を恐れ山中に隠れ住み貧しい生活を続けた。これを知った日本人修道女が、1970年代に同国に渡り、人々を救出し、教育を受けさせる活動に奔走した。

 これを資金面で支えようとロータリークラブを中心に設立したのが比国育英会バギオ基金。貧しい家庭の子どもに奨学金を提供し、これまで約3300人が教育を受けた。

2月のバギオ訪問で小学生と交流する矢橋氏

 基金の理事に就任した矢橋氏は、2月に現地を訪問した。子どもたちが生活するのは丘陵にバラックが張り付く、下水道もない貧しい地域。心のこもった歓待を受けたが貧富の差の大きさを目の当たりにし「貧困を脱する教育の大切さをあらためて感じた」。

 奨学生には医師や弁護士、建築士に育った人材もいて、日本で働くことを夢見る子もいる。

 「人材確保は測量業の大きな課題。資質があれば受け入れていけるのではないか」。矢橋氏は支援の輪を広げつつ、子どもたちが成長して日本で働けるような環境づくりを考えていくという。


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