おとなの養生訓

おとなの養生訓 第134回「春バテ」 急激な気温低下に対処

2018年04月27日 08時00分

 3月、4月になると、何となく体がだるくなって、「やる気が起きない」「スッキリ目覚めない」「食欲が落ちた」などの体の不調を感じることがあります。最近、この現象が注目されて、「春バテ」という言葉も使われるようになりました。つまり、春に起こる夏バテのようなものです。

 夏バテは夏の暑さや湿気などによって体調を狂わせることですが、春バテは寒暖差が大きいことによって起こると考えられています。実際、先般も夏のような陽気の日がありましたが、その前後の日と比較すると、最高気温で10度前後の差で上下しました。春は暖かい日と寒い日が交互に現れやすいからです。

 とくに、暖かい日から急に寒くなると、春バテになりやすいといわれます。その目安は5度以上とされます。通常、体温は脳にある体温調節中枢が指令を出し、気温、室温の変化に対応して体温を一定の範囲にとどめようと働いています。急激な気温の低下があると、それに応じて、体温が下がらないように、体内で熱を作り出したり、皮膚の血管を収縮して放熱を防いだりします。

 この反応には相当なエネルギーが必要なので、気温低下が大きいとたくさんエネルギーを消費して、運動していないのに疲労した状態になってしまうのです。この疲れが徐々に蓄積して、春バテになるのです。疲れていれば、だるさ、眠気、意欲の低下は当たり前のことといえます。

 では、春バテの対処法です。気温の急激な低下に対応するため、天気予報で冷え込みが予想されたら、コートなど一枚重ねて外出するようにします。前日が暖かいとなおさら惰性で、はおらず出てしまいがちです。また、室内の温度管理も大事です。

 夜も一枚多くかけて眠るようにします。朝のシャワーは反動で体温が低下しがちなので、寒い日は控えた方がいいでしょう。夜、帰宅後はややぬるめのお風呂にゆっくり浸かるのも効果的です。もし、疲れがたまって、完全にバテた状態になったら、やはり休養をとる必要があると思います。

 春バテがあるのだと知っておけば、原因不明の体調不良と心配しなくてもよくなるはずです。疲れを感じたら休むのは、現代ビジネスマンの鉄則です。疲れを押して働いても効率は下がるばかりだし、ミスも多くなり、結局損失にしかならないのですから。

(札医大医学部教授・當瀬規嗣)


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