ヒココニシアーキテクチュア(札幌、小西彦仁代表)が設計した倶知安町内の住宅「TAKI」が、イタリアの世界的デザイン賞「エーダッシュ・デザインアワード」建築部門で金賞を受賞した。周囲の自然を余すことなく取り込み、地水火風を存分に味わえる空間デザインが評価された。住宅作品が受賞することはまれだという。
この賞は、最高のデザインやデザインコンセプト、製品を選ぶ世界最大のデザインコンペ。ことしは、全99部門に100カ国から選ばれた。
「TAKI」は、香港在住の外国人夫妻がオーナーのリゾートハウス。夫妻はニセコの自然に溶け込む建物を希望していた。
敷地は斜面地で、雪対策と建物へのアプローチを確保するため、斜面に穴を掘り、ガレージとエントランスを挿入。その上に住空間を設けた。
地中から上るイメージで、地上約7mのリビング・ダイニングに足を踏み入れると、大きな開口部から雪、樹木の自然が目の前に広がる。リビング両側の寝室からも自然を堪能できる。
建物の強度を保ち、四角い開口部が、自然を絵のように見せるフレームとなるよう、コンクリート構造とした。
この作品は、1月に行われたドイツの国際デザイン賞「アイエフデザインアワード」にも入賞している。
小西氏は「世界的なデザイン賞を頂き大変光栄。今後も日本建築の美を北海道から世界へ発信したい」と話している。
◇概要▽RC造、地下1地上2階、延べ233m²、2017年冬完成▽躯体=瀬尾建設工業、内装=福島工務店