福島町は4月27日、「伊能忠敬北海道測量開始記念公園」の竣工式と伊能忠敬翁像の除幕式を開いた。没後200年の節目に、伊能忠敬が北海道を最初に測量した地で偉業をたたえた。
「大日本沿海輿地全図」を作成した伊能の蝦夷地測量は福島町吉岡から始まったとする記録が残っており、伊能の功績を後世に伝えるため、町は記念公園と銅像整備を計画。2016年度に伊能忠敬北海道測量記念碑建設基金を創設し、全国から約1100万円の寄付を集めた。17年度に公園造成と銅像を製作し設置した。公園は吉岡漁港内の豊浜68の3に位置する。
式には菊池一雄函館開建部長や小田原輝和渡島総合局長のほか、伊能家7代目当主の伊能洋さん、像を作製した彫刻家の酒井道久さん、伊能忠敬研究会会員と福島町史研究会会長を務める中塚徹朗中塚建設社長ら約130人が列席した。
鳴海清春福島町長は「伊能は函館に渡る際、風の影響で福島町吉岡に上陸し、吉岡が測量を開始した地点とされている。ここに見事に像として再現され、町に歴史的資源が誕生した。町民や訪れる人に愛されることを願う」とあいさつ。続いて、来賓代表の伊能洋さんは「蝦夷に来るのは先祖の最初の夢だった。はるばる津軽海峡を渡り、この地に着いた時を思うと感無量である」として、銅像建立に感謝を述べた。
その後は鳴海町長や小田原局長、菊池部長、中塚社長らに加えて、福島小児童会長の星井慎太郎君ら14人が除幕した。
蝦夷地測量が吉岡地区から始まったことから千葉県の伊能忠敬記念館の記録を確認し、伊能の功績を記す説明板設置にも尽力した中塚社長は「20年以上前から考えていたことが実現し、感慨深い」とし「伊能忠敬と同じ道を歩き、同じ風景を見ることで、彼を身近に感じるとともに、偉業への認識を深めてもらえれば」と話した。