生活物資やサービス提供 「コンビニバス」の可能性

2018年05月08日 13時00分

 地域の課題解決に取り組むNPO法人フューチャー北海道は、生活物資やサービスを移動しながら提供する「コンビニバス」を提案している。このほど札幌市内で、2016年度に実施したコンビニバスの実用性や需要に関する調査の結果報告会を開いた。

 ネット通販の普及で日用品の宅配が増加する一方、身近な買い物の足となる路線バスは、利用者減少によるサービスの廃止や縮小が相次いでいる。

 免許返納などで移動手段をなくした地方の高齢者が課題となる中、同法人は、人だけでなく物資やサービスを運ぶことができる「コンビニのように便利なバス」を発案。コンビニバスのバス停を新たなコミュニティーの場として、地域を再生することができるとして、実現を目指している。

 トヨタ財団の16年度国内助成プログラムを活用し、17年に空知管内の自治体でフィールド調査を実施。バス停の利用率や住民の買い物動向を調べた。地方のバス停は周囲に民家が少ないことをはじめ、地元商店街への影響、運営主体や採算性確保の難しさなどが課題に挙がった。

 併せて、全国で成功している移動販売車の実態調査も実施。地域の見守りや町内会との連携など多様なサービスを展開していることが分かった。発表者の杉田恵子理事は「物資を届けること以外のサービスが充実している必要がある」と指摘。物資と合せて美容室やネイルサロン、カフェなどのサービスを移動式で提供することが、町の活性化につながるとした。

 また「よその町から積み込んだ物を売るのではなく、町にある物を町内に広げることができれば」と話し、既存バスの貨客混載事業の利用やトレーラーでのけん引、デマンドバスによる移動販売形式などを提案した。

コンビニバスの可能性を探るため意見を交わした

 報告会ではこのほか、自治体職員らを中心とする参加者が、専門家と実現性を議論した。商業施設やショールームなどの企画・設計などを担っている、ベーシックインフォメーションセンター(本社・東京)の伊藤敏郎社長は「地元の物を地元で回すだけでなく、時には他の地域に発信し、コミュニケーションできるような町のインターフェースにもなり得る」と、コンビニバスの可能性に期待した。

 参加者からは、町や商店街に収益を落とすような仕組みづくりの必要性、冬場の運用体制検討、農業高校との連携などを求める意見があった。

 同法人は今後、自治体や企業に事業への協力を募り、同様の助成を活用した事業化への調査を進める。


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