宿泊・飲食・観光の拠点「コンシェルジュフラノ」6月開業 

2018年05月24日 13時00分

 ふらのまちづくり株式会社(本社・富良野)が商業施設を改修して整備している宿泊・飲食・観光の多機能拠点「コンシェルジュフラノ」が開業間近だ。6月1日の開業を前にした22日、マスコミ向けの内覧会を開き、施設のコンセプトや特色について説明した。西本伸顕社長は「おもてなしと観光の拠点を目指す。観光客が中心市街地を回遊するきっかけづくりになれば」と期待を寄せている。

 富良野市中心市街地活性化基本計画に基づいて事業化した。前身は衣料小売店の三番館ふらの店だったが、2016年3月に閉店したのを受け地元経済への影響を懸念したふらのまちづくり株式会社が西川食品(本社・富良野)から取得。田中組・サンエービルド工業共同体に依頼し、経済産業省の補助金も活用しコンバージョン(建物の用途転換)を実施した。規模はRC造、地下1地上4階塔屋1階、延べ4936m²で、設計はアトリエアクが担当。総事業費は補助金2億5000万を含め7億4800万円。

コンシェルジュフラノ1階

観光案内所や物販スペースなどが入る1階部分。開業へ向けて準備が進む

 1階にはふらの観光協会による観光案内所や、富良野物産観光公社が運営する物販スペースが入る。同公社は2月に第2種旅行業として登録しており、アウトドア活動などをメインとした着地型ツアーの企画や運営も手掛ける計画だ。そのほか、西川食品が運営するレストラン「キッチンエベルサ」も営業。食材は富良野や道内各地の生産者と契約して調達し、国内外の観光客に新鮮さや美味しさなどの魅力をアピールする考えだ。

 2階には富良野市商工観光課や、富良野商工会議所などが移転し事務所を構える。現在の商工会議所のビルは移転後に解体し、富良野市が観光客向け駐車場「サンライズパーク」として整備することが決まっている。

 3階は西川食品が運営する宿泊施設「トマール」で、ベッドを一部屋に多数配置したドミトリー形式3室62ベッド分を中心に、家族向けの個室23室も備え、合計130ベッドを確保。キッチンなどの共用部はゆったりと使える広さとするなど、快適性を意識した。宿泊料を抑えて滞在の長期化を図る。

 整備に当たっては、まちづくり株式会社のスタッフらが国内各地の同形態の宿泊施設に泊まって視察し、アトリエアクからのアドバイスも受けながら利用者の目線で形にした。近隣にコンビニエンスストアがないため、セコマ(本社・札幌)から商品を仕入れ日用品も販売するなど、地域住民のニーズにも応える。

 西本社長は「これまで(物販や飲食が中心の)フラノマルシェ1、2と事業を展開してきたが、宿泊ニーズに対応するもう一つの拠点が必要だと考えていた」と事業の経緯を説明。「富良野市との連携を背景に経産省の補助金を得ることができイニシャルコストを圧縮できた。オール富良野で進めてきたまちづくりの新たな成功体験としたい」と地域経済への波及を誓っている。


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