「災害の教訓、後輩たちへ」道土木協会が45周年記念誌

2018年05月24日 17時00分

 災害の教訓を語り継ぐために―。北海道土木協会(宮木康二会長)は、設立45周年記念誌「大災害を振り返って―後輩たちへ繋ぐ災害心得」を発刊した。1977年の有珠山噴火から2016年の台風災害に至るまで、被害状況を克明に記すとともに、当時担当した道建設部OBや現役職員が現場対応の様子、後輩職員に伝えたい教訓を述べている。

過去の災害についてまとめた記念誌の表紙

 同協会としては「天災地変による公共大災害が発生した場合の緊急復旧事業に率先協力」する設立当初の趣旨の下、昨今の社会状況で困難になりつつある河川・道路管理者の経験や技術の継承を支援するために〝災害〟をテーマとした記念誌を製作した。過去の災害対応事例を広く集めるとともに、災害復旧時に対応した現役職員と同協会員との座談会、体験談で構成。今後の防災活動に生かせる内容となっている。

 77年の有珠山噴火の座談会では、噴火発生前後の周辺地域の様子や復旧作業での苦労話などを語り合い、そこから見えてきた課題などを紹介。後輩たちへは技術習得と研さん、データ類の整理と共有化の大切さを呼び掛けている。

 93年の釧路沖地震と北海道南西沖地震は、当時の担当者が発生直後の惨状と混乱を生々しく解説。釧路沖では雪や雨と戦いながらの復旧、南西沖では奥尻島を襲った津波の恐怖について記している。また、災害の経験から浮かび上がった組織体制の課題や日頃からの備えについて提起している。

 16年台風は、上川と十勝の2地区に分かれて実施した座談会を掲載している。上川地区では初動対応の心得、復旧現場への技術集約、円滑な現場対応に向けたマニュアルづくりの必要性を提案。十勝地区では、本庁との連携、OB職員を含めた災害査定での支援、将来の災害に備えた応援体制構築などに関する議論を展開している。


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