砂子組(本社・奈井江、砂子邦弘社長)と岩見沢農高(畠山佳幸校長)は、連携授業を行うための協定を28日に同高で結ぶ。今後は同社が定期的に授業を受け持ち、建設業のICTなどを生徒に教える予定だ。企業と高校が連携した授業を行う取り組みは全国的にも珍しく、同社では「こうした取り組みを進めるために全道的な協議会を立ち上げたい」と話している。
同社では、i―Constructionの取り組みを積極的に進めており、若い人材も多く採用しているが、学生のときからICTを学んでいれば社会人になってすぐに戦力となり、若いうちから仕事のやりがいを感じてもらえると思い、授業の一環として生徒たちに伝えたいと考えていた。
一方、岩見沢農高は学校では詳しく教えることができない建設業のICTについて指導方法を模索していた。また、同高では授業で使用しようとドローンを1台購入したもののうまく活用されておらず、有効な利用方法を考えていた。
連携授業では、同社が月2回、1回2コマ分の授業時間を担当する。同高では、総合実習の時間を利用して生徒が班をつくり、一つのテーマについて研究する課題研究の授業が設けられており、今回砂子組が担当するのは、農業土木工学科2年の開発土木専攻班の課題研究授業。同班の9人が授業を受け、ドローンを活用した測量と、従来の測量機器を使った測量の両方を体験し、その違いなどを研究することにしている。こうしたフィールド授業を10月まで続け、同月に生徒たちは研究実績を発表することにしている。同社では自社のほか、外部からも講師を呼びたいとしており、測量など専門的な分野のほか、建設業全般についても生徒に伝えたいとしている。
岩見沢農高農業土木工学科の堀毛憲太郎教諭は、「学校では専門的なことは教えることができないので、こうして教えてくれるのはありがたい。それに、専門的なことを学ぶことで生徒は進路選択に前向きになると思う」と期待を込めている。
このように単体企業や、企業でつくる協議会が高校と協定を締結して授業を教えるケースは全国でも珍しく、同社の真坂紀至企画営業部長は「将来的には道内の企業が集まって協議会のようなものをつくって、生徒たちにICTや建設業のことを教えていきたい」と話している。