「さっぽろ創世スクエア」誕生 都心再生に大きな弾み

2018年06月03日 09時30分

 大通と創成川が交わる札幌市の都心エリアに、新たなランドマーク「さっぽろ創世スクエア」が完成した。オフィスや放送局の入る高層棟が稼働を始め、10月には道内最大級の劇場を備えた文化交流拠点「市民交流プラザ」がオープンする。新たな価値を発信するにぎわい空間の誕生が未来の扉を開く。

 都心の高度利用を目指し関係地権者が20年以上研究を重ね構想をまとめ、2015年1月に着工した。事業主体は札幌市や民間で構成する札幌創世1・1・1区北1西1地区市街地再開発組合。

完成を迎えた創世スクエア

 建設費に約650億円を投じた大型再開発で、規模は地下4地上28階、S・SRC・RC造、延べ13万1085m²。高さ124mの高層棟は、低層階に北海道テレビ放送(HTB)放送局が入り、上層階には朝日新聞社や、企業のオフィスに利用する。

 10月7日には低層棟の劇場や図書館などで構成する札幌市の公共施設「市民交流プラザ」が開業し、施設はグランドオープンを迎える。4―9階を貫く文化芸術劇場は、道内初の多面舞台や3層のバルコニー席を備え、オペラやバレエなど都心から新たな価値を発信する。

 外周には緑多い歩行者空間を確保。西2丁目地下歩行空間との接続で地下鉄や大通地下街からのアクセスも高まる。

 一般業務代行者は日建設計・北海道日建設計共同体が務め、施工などの特定業務代行者は大成建設・岩田地崎建設・伊藤組土建・岩倉建設・丸彦渡辺建設共同体が担った。

 建物が林立し、周辺交通の多く制約の多い都心で、巨大な劇場空間を維持する構造など、高度な技術と施工、工程管理が求められた。ピーク時には1日2000人以上の建設従事者が、共同体の統括で従事。この先長く「地図に残る仕事」を完成に導いた。創世スクエアの誕生は、更新期を迎える都心再生に弾みをつけるに違いない。

再開発マップへ


ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

北海道建設新聞社新卒・キャリア記者採用募集バナー
  • web企画
  • 日本仮設
  • 北海道水替事業協同組合

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

丸彦渡辺建設が31日付で清水建設の子会社に
2023年05月12日 (16,234)
上位50社、過去16年で最高額 22年度道内ゼネコ...
2023年05月11日 (8,171)
熊谷組JV、道新幹線トンネル工事で虚偽報告
2023年05月08日 (5,718)
ラピダスの工場新築で関連企業から多数の問い合わせ
2023年05月25日 (5,490)
砂川に複合型施設オープン シロの福永敬弘社長に聞く
2023年05月22日 (4,686)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓 new

おとなの養生訓
第255回「内臓脂肪蓄積」。ポッコリお腹は悪性肥満、生活習慣の改善が必要です。

連載 ごみの錬金術師

ごみの錬金術師
廃ガラス製品を新たな姿に。道総研エネ環地研の稲野さんの研究を紹介。

連載 行政書士 new
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第30回「職業的背景で変わる視点」。経営には慎重かつ大胆なバランスの良い判断が必要となります。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第32回「確実に伝えたい色」。青と黄色は色覚に左右されにくい「伝える色」です。