有人自動車道の第2青函トンネル 7200億円試算

2018年06月05日 08時30分

 第二青函多用途トンネル構想研究会(座長・石井吉春北大大学院公共政策学連携研究部教授)は、有人自動車道を想定した第2青函トンネル整備に関する提言を取りまとめた。延長30㌔、内径14・5mのシールドトンネル整備に7229億円の事業費を試算し、PFIなど民間主導だと48・2年で投資額を回収できると推計。道内への経済波及効果は730億円に達するとみている。

 同研究会は、石井座長をはじめ、神尾哲也戸田建設執行役員、加森公人加森観光社長、栗田悟北海道建設業協会副会長、田中義克トヨタ自動車北海道顧問、田村亨北海商科大教授という委員で構成し、オブザーバーとして北海道経済連合会、北海道商工会議所連合会も参画。青函トンネルは、①貨物列車との共用走行による新幹線の低速化②北海道―本州間のトラック輸送が海上のみという課題があると分析した。

 日本建設業連合会鉄道工事委員会が2016年3月に考案した「第2津軽海峡線建設構想」は、列車専用トンネル1本を増設し新幹線の高速走行を実現することを主眼に置くが、②の課題には対応していない。

 17年3月に日本プロジェクト産業協議会(JAPIC)がまとめた構想によると鉄道貨物・カートレイン共用、無人運転トラック走行という2本のトンネル整備で①、②のどちらも対応できる一方、将来的な技術開発が前提のため、同研究会は17年に会合を重ねて現行の基準における有人自動車専用トンネルの可能性を探った。

 構想では、シールドマシンやTBM(トンネルボーリングマシン)による推進工法で30㌔の新トンネルを既存トンネルに並走させる。片側1車線の走行車線各3・5m、両側路肩各1・75mに加え、柵かスリット壁による中央分離帯1・5mを確保するため内径14・5mが必要で、走行車線の地下には緊急車両走行車線と両側に避難用人道を設ける。

トラックや一般車両の通行で経済波及効果をもたらす

 ジェットファンと換気塔による換気方式を採用。トンネル6900億円、非常駐車帯100億円、換気設備229億円を試算し、早ければ10年で建設可能と予想する。

 1日当たりの走行台数は4000台、少なくとも3000台という想定で、大型1万500円、普通乗用車5250円の想定でキャッシュフローを算出。4000台の場合48・2年、3000台の場合78・3年で整備費用を回収可能とみており、道内での観光による消費額は4000台のケースで年間730億円、3000台でも365億円に達すると見込む。

 栗田副会長はSPC(特別目的会社)が整備、管理運営を担うPFI方式の採用が前提と述べ、「経済界の支援がなければ実現は難しい」とシンポジウムなどで構想を広める考えを表明。また、高規格道路との接続など陸上の整備は国が積極的に関与する必要があると提言している。


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