札幌市が駐車場設置義務を緩和へ

2018年06月10日 09時30分

 札幌市は一定規模以上の建築物に対して駐車場設置の義務化を定める、建築物駐車施設付置等条例の改正を目指している。都心部で駐車場台数に余裕がある状況などから、対象建築物の最低床面積と必要台数に対する基準床面積を緩和する方針。事業者による駐車場の集約化と公共交通利用を促す取り組みに応じ、義務台数を緩和する提案制度も創設する。

 近年は時間貸し駐車場の増加などから、都心部でも平日・休日ともに在車率が最大でも6―7割と余裕があることが判明。量主体の整備から、まちづくりに応じた柔軟な制度への転換を目指すため、見直し方針案をまとめた。

 主な変更は3点。札幌駅や大通などをエリアとする駐車場整備地区で、義務対象となる建築物の最低床面積と、必要台数を算出する基準床面積をそれぞれ緩和する。

 対象の最低床面積は、店舗・事務所の特定用途が500m²緩和の2000m²超、住宅や学校の非特定用途は1000m²引き上げの3000m²超。基準床面積でも100m²以上をそれぞれ広げる。

 また、現行では建築物敷地内からおおむね200m以内に駐車場を設置すると定めていた隔地距離についても、350m以内へと緩和する。

 

 このほか、ビル事業者らが公共交通利用促進策や複数建築物の駐車場集約化など、整備需要の低減につながる取り組みに対して義務台数の緩和を図る提案制度を創設する。

 マイカー通勤規制、公共交通利用者などの取り組みごとに、5―20%を緩和。複数建築物の集約化は、業務・商業など用途別の台数規模や曜日別の利用を算出・集約し、値が大きいものを必要台数とすることが可能で、緩和上限は20%とする。取り組みは複数実施が可能だが、最大緩和率は50%と上限を設けている。

 今後は8月ごろに見直し案に関するパブリックコメントを募集した後、4定市議会での提案、年度内の改正・施行を目指す。


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