函館建設業協会(森川基嗣会長)が安全対策やイメージアップの一環で取り組んでいる目玉シートに関する活用実態調査報告書がまとまった。6割以上が視線を感じると回答し、注意喚起につながったと分析。子どもたちが建設業に関心を持つきっかけにもなっている。調査した地域研究工房の小磯修二代表理事は「目玉シートの意義は気付きにある。見ることによって自主・自発的な行動につながる」と評している。
マグネット式の目玉シートは、建設機械の後部などに貼ることで見られている意識から注意喚起に役立てようと労務安全委員会が作製。建設業に親しみを持ってもらう狙いもあり、これまで500セットを配布した。
調査では113社にアンケートし、50票の回答を得た。道路関係の現場での活用が最も多く、バックホー・ショベルが8割以上だったが、クレーンやブルドーザ、施設出入り口でも使っていた。
現場での変化については、約6割が「視線を感じて安全への注意を促したと思う」と回答し、4割以上が重機の死角に入ることを防ぐ効果や死角を監視している意識が芽生えたなど安全意識の高まりを挙げている。
また「地域住民が建設業や建設現場に親しみを感じるようになったと思う」が約3割に上り、将来の担い手となる子どもたちが興味・関心を示すなど業界PRになっている。函館労基署でも目玉シートの有効性を高く評価している。
今後に向けてはサイズやデザイン、夜光反射材仕様の検討、さらには車に貼って交通事故を抑止する効果も期待される。既に愛媛県松山市の建設会社が活用するなど道内外に広がりを見せており、小磯代表理事は「地域が率先して取り組むことこそ、建設業の魅力・発展につながる」と話している。(函館)