新設は最大700億円 道横断道根室線尾幌―糸魚沢間

2018年06月22日 12時00分

 北海道開発局は21日、TKP札幌駅カンファレンスセンターで社会資本整備審議会道路分科会の第16回北海道地方小委員会(委員長・田村亨北海商科大教授)を開いた。北海道横断自動車道根室線尾幌―糸魚沢間については、事業費620億―700億円を見積もる別線新設案(約25㌔)と、790億―880億円で国道44号の一部活用案(約24㌔)という2つのルートを提示し、現道活用は津波対策のかさ上げ盛り土でかえってコストが増大すると説明。委員らは濃霧や地吹雪への考慮、広域観光ルートとしての特性を押し出すことなどを求めた。

■開発局がルート案 現道活用 津波対策でコスト増

 尾幌―糸魚沢間28㌔は2017年8月の同小委から計画段階評価を開始。同年12月にはアンケートを実施し、釧路市への速達性や物流効率化の観点から課題を抱えていると分析した。

 これを踏まえて、物流関連で線形不良区間と市街地の回避、釧路市に集中する医療施設への時間短縮と救急搬送時の走行安定性、大規模地震の避難、復旧活動支援路線としての道路整備を政策目標に設定し、別線整備(図=ルート①)と一部現道活用(図=ルート②)の2つの路線案を提示。両ルートともトンネル区間はなかった。

 別線新設案は、44号のJR根室本線尾幌駅東側付近から分岐し、海岸沿いを同路線に並走した後にJR門静駅西側で鉄路と44号を横断。市街地北部を通り抜け、JR糸魚沢駅東側の集落を越えた辺りで再度44号に合流するルートを構想している。

 この線形だとJR尾幌駅北側に広がる希少猛きん類が生息する鳥獣保護区を回避できる。全線自動車専用道として80㌔毎時の走行が可能なため、現道よりも13分程度の時間短縮が見込めるとした。

 一部現道活用案は44号を改良する構想で、尾幌駅東側から約8㌔は現道を高規格化して対応。門静駅西側付近で鉄路をまたぎつつ新設区間に移行して市街地北部を抜けた後、糸魚沢駅西側の地区で44号に合流。そこからさらに約8㌔を現道改良するというものだ。

 現道区間の設計速度は60㌔毎時となり、急勾配・カーブの緩和ができない箇所も残るため7分程度の時間短縮にとどまる。さらに津波による浸水の危険や農道との立体交差を考慮し7―10m程度の盛り土によるかさ上げが必要で、全線新設よりもコストが増大する試算結果が出たと報告した。

 委員からは道東の広域観光周遊ルートとしての位置付けをもっと明確にすべきとの意見が上がり、事務局の道路計画課は今後実施するアンケートで観光ルートとしての必要性を調べる項目を追加する方針を表明した。

 釧路地方特有の濃霧や冬季の地吹雪を前提とした走行時間の算出や各地域の医療機関格差の精査を求める意見も出され、地域の意向を探ることにしている。


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